2022年に流行したカスタマーサクセスの施策とは!?
SaaSを展開する企業を中心に、カスタマーサクセスの分野で様々な取り組みが実践されています。
カスタマーサクセスでは、ヘルススコアやコミュニティなどの施策が取られることが多いですが、各社がどんな施策を進めているかについて見ていきます。
参考:
HiCustomer社「カスタマーサクセス白書 2022」
2022年にCSで流行した施策 第1位:
「オンボーディング設計」
多くの日本の会社におけるカスタマーサクセス組織は、
「顧客のオンボーディングの仕組み作り」を実施しているフェーズの組織が多くなっています。
逆に言えば、オンボーディングの後のアダプション・エクスパンションの施策は一旦置いておいて、
「まずはオンボーディングの施策を頑張ろう」という会社が多いということですね。
オンボーディングはカスタマーサクセスの基本の「き」の部分ですので、
まずはしっかり設計していこう、という流れになっているということですね。
2022年にCSで流行した施策 第2位:
カスタマーサクセスの「採用」
そもそも、体制的にカスタマーサクセスの人員が不足しており採用を急いでいる、という会社の方が断然多い状況です。
先日、LayerXのカスタマーサクセス責任者である「かじさん(梶原 将翔さん)」という方も
「ずっと採用やっている、仕事のほとんどが採用だ」といったお話をされていました。
新しいカスタマーサクセスの取り組みをやろうとしても、
人がいなければうまく回らないため採用を頑張らないといけません。
「流行」という捉え方だと少し違うかもしれませんが、
施策以前にまず「採用して組織を作る」ということが急務になっています。
2022年にCSで流行した施策 第3位:
「手厚いハイタッチ」のカスタマーサクセス
先ほどご紹介した1位(オンボーディング設計)もハイタッチ施策の一部ですが、
有望なSaaSベンチャー企業で、PMF(プロダクトマーケットフィット)していて、成長している会社は非常に「レア」な状況です。
※PMF:製品(サービスや商品)が特定の市場において適合している状態のこと
PMFできていない企業が大半であり、
そういった企業はハイタッチでなんとか取引を継続している、というのが実態ではないでしょうか。
2年ほど前(2020〜21年)まででは、
「とにかく手厚くハイタッチで顧客とのコミュニケーションを行い、カスタマーサクセスも「型化」するよりはむしろ、「深く踏み込んで支援」しよう」という流れでした。
しかし、この流れは今後変わっていくだろうと考えています。
2020〜21年は好景気で、SaaSと言うだけで企業価値爆上がり、資金調達もどんどんできる、という状況が続いていました。
一方、先日別の記事でご紹介した通り2022年はSaaSにとって「大不況」の年です。
先日人材企業の方とお話をした際にも、「SaaSベンチャーは元気がないんです・・・」とおっしゃっていました。
このような状況下のため、財政的にも厳しくなり、
2020〜21年に行っていたような「コスト度外視でハイタッチでコミュニケーションし続ける」という施策は難しくなっています。
2022年以降はきちんと利益を出していく、
規律あるコスト感覚を持ってカスタマーサクセスをやっていく、という方向にシフトすると思います。
今回ご紹介したランキングはハイタッチ中心の施策でしたが、
今後のランキングはおそらく少しずつ変わってくるのではと思っています。