「BtoCでのカスタマーサクセスって何をしたらいいのだろう」
「BtoCでもカスタマーサクセスって必要なのだろうか」
サービスを運営するにあたって、このような悩みをお持ちですか?
BtoCのカスタマーサクセスは、知名度が低く国内でも事例が多くありません。一方でアメリカをはじめとする海外では、カスタマーサクセスの概念がBtoBからBtoCへと急速に広まり、向こう数年のトレンドと言われるほどです。
そこで、本記事ではBtoCサービスにフォーカスして、カスタマーサクセスに取り組むための基本知識やメリット、7つの具体的な施策を解説します。
カスタマーサクセスを新しく始めたい人、具体的に何をしようか悩んでいる人の参考になればと思います。
BtoCにおけるカスタマーサクセスとは?
小売・EC業界でのカスタマーサクセスがますます重要に
BtoC領域は、Eコマースや予約サイト、ゲームアプリなど多岐にわたる市場が存在し、いずれの領域にもカスタマーサクセスの概念が広まっています。
その中でも特に注目されているのは小売市場・EC市場です。海外の調査会社Mordor Intelligenceによると、2021-2026年において、小売・ECにおけるカスタマーサクセスの重要性がいちだんと増すと予想されています。
詳しくは弊社藤島が解説するnoteをご覧ください。
カスタマーサクセス市場の大きな変化予測「SaaSから小売・EC・デジタル体験へ」
お客様に使ってもらう、使い続けてもらう
BtoCにおけるカスタマーサクセスの目的は、BtoBのそれと変わりません。
お客様にサービスを使い始めてもらい、使い続けてもらう、満足してもらうことが最大の目的です。
カスタマーサクセスの役割は、その過程においてお客様が抱える「潜在的なニーズ」や「課題」を発見し、ソリューションを提供することです。
BtoCでは一度に多くのお客様をサポートする体制が必要
BtoCとBtoB、カスタマーサクセスに取り組む上での違いは、顧客の数と意思決定のスピードです。
■顧客数
BtoCのほうがBtoBと比べて顧客数が多い傾向にあります。オンボーディング(サービスの習得時期)において顧客ごとにサポート担当者がつくようなハイタッチ施策は適さないため、必然的にテックタッチ(デジタル施策)をメインにします。
■意思決定のスピード
お客様がカスタマージャーニーをたどるスピードは早く、気に入ればその場で契約・購入される一方、不要なものはすぐに解約されます。
BtoBのような社内会議や決裁プロセスの期間がありません。
企業はお客様が判断をくだせる材料を提供し、迷いがあるお客様を瞬時に見抜き能動的なサポートを行うことが求められます。
BtoCでのカスタマーサクセスはなぜ重要か?避けては通れない時代へ
カスタマーサクセスの成功=事業成果へ直結
カスタマーサクセスが重きをおく指標には下記のものがありますが、これらは全て事業成果へ直結する指標です。
・新規購入促進
・クロスセル促進
・解約率低下
・お客様満足度向上
・ロイヤリティー向上
・ブランド価値向上
またCAC(新規顧客獲得単価)>リテンションコストと言われています。
新しいユーザーを1人獲得するよりも、ユーザーに使い続けてもらう施策に投資をした方が費用対効果に優れているのです。
【参考記事】カスタマーサクセスコストとしての顧客維持コスト(CRC)に注目すべき理由
低評価が負のループを生む時代に
カスタマーサクセスを怠ると、サービスへの評価が落ち、業績が悪化します。
近年では口コミ評価で低レビューがつき、潜在顧客にも影響が出ます。
情報通信白書(総務省 2016年版)によると「インターネットショッピングサイトを利用する際に、口コミを参考にする」割合は「6割強」存在しています。
低評価による負のループを起こさないためにも、顧客体験を改善することが必須の時代です。
BtoCで使える7つのカスタマーサクセス施策
アメリカの事例を参考にBtoCにおけるカスタマーサクセス施策を紹介します。
施策に取り組むには、3つの視点が重要です。
- パーソナライズ
- マルチチャネル
- リアルタイム
お客様ごとに、複数の接点で、最適なタイミングでフォローを行うことが、施策の成功につながります。
チャットボット
上述のトレンドレポートによると、チャットボットは向こう数年のカスタマーサクセスにおける重要ツールと予想されています。
筆者もホテル予約にチャットボットを利用したところ、ホテルのレセプションに直接つながり、すぐに回答をもらえるという体験をしました。
AIによる自動応答のボットだけでなく、人を介したボットを組み合わせ柔軟に対応することが良質な顧客体験につながる事例です。
メール、LINEなどのメッセージアプリ、SMS
メールやLINE、SMSなどのメッセージアプリを使ったコミュニケーションは、カスタマーサクセス施策の重要なツールの一つです。すでに多くのサービスで導入されている施策ですが、顧客ごとに、適切な内容の情報を届けることで顧客体験の向上に寄与します。
▼施策の一例
- 配達状況を通知して情報をアップデートする
- 商品のお届け後に機能紹介やデジタル保証書を送る
- 同時に使える商品、シリーズものを案内する
- 予約の前日に確認メッセージを送る
ハウツー動画
商品を購入したお客様に向けて使い方の説明する動画を用意することも有効です。
ドローンのような初期設定が必要なアイテムはもちろん、化粧品のように身近な商品でも役立つ施策です。
サポート窓口
SNSを含むマルチチャネルでサポート窓口を設けます。
ターゲットとするユーザーが頻繁に利用するコミュニケーション手段を特定し、気軽に問い合わせられるようにしましょう。
オンラインコミュニティ
サービスの利用者や購入者が情報交換できるコミュニティを公式が用意することも施策の一つです。
食料品メーカーであるカゴメが提供する「& KAGOME」は、カゴメのファンが集うコミュニティサイトです。
レシピ情報や、新商品の紹介、開発中の商品の意見を収集する場として使われており、顧客のLTV向上・ロイヤリティー向上に寄与する施策です。
満足度調査&NPS調査
お客様の満足度やNPS(推奨度)調査は定点観測を行い、お客様の声を吸い上げることが大切です。
モバイルアプリを使っていると「お客様の声をお聞かせください」という表示が出てきた経験があると思います。
意見を収集するだけでなく対応が必要なアクションがあれば、プロダクト開発やマーケティングと共同し改善することもカスタマーサクセスの重要な役割です。
クローズドオンラインサイト
購入者や契約者だけがアクセスできるオンラインサイトを立ち上げることも有効です。
「ここにいけば必要な情報が得られる」という場所を用意すれば、お客様は問い合わせをせずとも、自ら問題解決できます。
弊社が提供するopenpageは、カスタマーサクセス特化サイトです。ターゲットとするお客様に向けて、操作方法のご案内、FAQや動画コンテンツを掲載し、お客様がサービスを学習するお手伝いができます。
BtoCにおけるカスタマーサクセスは顧客を起点としたコミュニケーションの再設計
本記事では、BtoCサービスがカスタマーサクセスに取り組む際の基本情報や具体的な施策について解説しました。
それぞれの施策は目新しいわけではなく、これまでカスタマーサービスやマーケティングが行っていたことです。
しかしながら、複数の部門にまたがって、お客様との接点を持つことで弊害もありました。例えば、カスタマーサービス部門でクレーム対応中のお客様に、マーケティング部門がDMやメルマガを送ってしまうということがあります。
そこで、BtoCのカスタマーサクセスが発揮できる役割は「顧客の視点からみてコミュニケーションを再構築する」ことです。
各部門の施策を見直し、顧客視点でお客様の体験を向上させることが重要なミッションです。
当社が提供するopenpageはカスタマーサクセスに特化したサイト構築ソリューションです。
ターゲットとするお客様に向けて、操作方法のご案内、FAQや動画コンテンツを掲載し、お客様がサービスを学習するお手伝いができます。
企業としては、これまでさまざまなプラットフォームで提供していた情報を、一つのウェブサイトで一元的に管理ができます。
openpageに関する資料やサービスの提供イメージなど、まずはお気軽にお問い合わせください。