CCO・チーフカスタマーオフィサーに必要なスキルとは?

  • 公開日:2022年8月30日(火)

 

今回はCCO・CROといったカスタマーサクセス時代の新しい役職者を紹介します。

CCOとは?

CCOは、カスタマーサクセス時代に必要になる役員メンバーであり、「Chief Customer Officer(チーフカスタマーオフィサー:最高顧客責任者)」の略です。
海外でも最近出てきた役職・職業であり、日本にはまだほとんどいないと思っていただいて大丈夫です。

主にSaaS(Software as a Service)企業で、カスタマーサクセス部門を持っている企業の中にある職種ですが、例えば代表的なマーケティングツールであるHubspot社が採用しています。
HubspotのCCOはヤミニ・ランガンさんという女性の方です。
元々はDropboxで最高顧客責任者を務めており、その後Hubspotに転職しました。

CCOの役割とは

CCOの役割は、カスタマーサクセスを中心としたビジネス戦略を考えることです。
一言で言うと「カスタマーサクセスのトップ」と言えます。

カスタマーサクセスの時代はお客さんを獲得することも大事ですが、「顧客を維持すること」も重要だと言われています。
実際に、SaaSベンダーの組織構成を見てみると、最近は営業職の人よりも、カスタマーサクセス職の方が人数が多いケースがあります。

営業担当役員が組織にいる会社は多いと思いますが、SaaSベンダーのように営業職よりカスタマーサクセス職の方が人数が多ければ、カスタマーサクセスを中心とした役員も必要だよね、という考えになります。

そのため、日本のSaaSベンダーがどんどん成長していくと、そういった会社でCCOと言われるポジションの採用は今後増えていくのではと考えています。

カスタマーサクセス自体がですね、まだまだ経験者が少ないポジションなので、「CCOを目指す!」という方にとっては、チャンスがある役職・ポジションかもしれません。

CROについて

CROは「Chief Revenue Officer(チーフレベニューオフィサー、最高収益責任者)」の略です。
CROはSaaSの価格および社内の部門連携にコミットするという、新しい役員の姿です。

英語版のウィキぺディアでは、CROについて「レベニュー生成プロセスの執行役員である」と書いてあります。
レベニューは売上や収益という意味であり、売上や収益を向上させるためのプロセスを考えるポジションです。

CROの役割とは

SaaS企業においては、自社製品を開発して、マーケティング・営業活動を通じて顧客を獲得し、カスタマーサクセスの業務をしながらも、毎月利用された分を請求するというバリューの繋がりから売上が生み出されます。
それらをどのように連動させれば収益が最大化されるか、を考えるのがCROの役割になります。

先ほど紹介したCCOと似ていますし、実際やってることはほとんど同じようなことが語られている印象は受けます。
アメリカの文献や現地のディスカッションを聞いていると、「CROとCCOは似てるんだけれども、CROの方が「レベニュー」と名称についているぐらいなので、会社の中の”カスタマーサービスの財務的な部分”を見ている」という印象を受けました。

そのため、CROの仕事の一つとしては「価格設計」が主要なタスクとしてよく言われています。
SaaSは、顧客にどのようにお金を請求するか、あるいは価格をいくらで設定するべきか、という観点で最適化に取り組み続けています。
有名なサービスでも、価格改定を何回もすることはよくあることです。

CCOとCROの違いとは?

CCOの場合、カスタマーサクセス含め、顧客体験をどう設計するか、という話が多いのですが、CROの場合は価格や収益等、レベニューに関する話が多い、とまとめることができるでしょう。

CCOは「カスタマーサクセスの責任者の延長」という意味合いもありますが、CROは「カスタマーサクセス的な収益を生むために全体をどう繋ぎ、決めるのか」といった話が中心になります。

全社でカスタマーサクセスの取り組みを進める、というケースが多いと思いますが、
実際は部門最適で、それぞれ自部門のことだけ考えて仕事をしてしまっているケースは往々にしてります。

CROの仕事は、各部門のバラバラの取り組みをしっかりと取りまとめて、全社で一枚岩でカスタマーサクセスの取り組みを進めていくことにあるのではないでしょうか。

カスタマーサクセスが重要視されると、CCO・CROのように新たな役員ポジションも生まれてくる、ということをぜひ覚えていただけたらと思います。

まとめ

本稿では、CCO(チーフカスタマーオフィサー)とCRO(チーフレベニューオフィサー)の役割やその責任範囲の違いについてご紹介しました。

顧客の体験やカスタマーサクセスについて責任を負うCCO、SaaS企業の売上・収益を産むための価格設計や部門間連携をどのように行うかについて責任を負うCRO。

SaaS企業にとってはいずれも今後重要なポジションであり、かつまだ新しいポジションなので、これからカスタマーサクセスにチャレンジしようとする方にとっても、チャンスがある役員ポジションなのではないでしょうか。

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