直近、戦略系コンサルティングファームや、ITコンサルティングファーム出身の方がカスタマーサクセスに転職するケースも増えてきています。
2023年3月のBusinessInsider様の記事でも、このことが取り上げられていました。
今でこそ日本でもこの流れが来ていますが、アメリカでは既にメインストリームとなっている部分もあります。
コンサル出身→カスタマーサクセスの流れが増えている!
アメリカのsalesforceのカスタマーサクセスチームの組織では、
エンタープライズ企業向けのカスタマーサクセスチームに、
DX系・戦略系のコンサルティングファーム出身者を多く採用しているといいます。
日本の会社もようやくこうした流れに追いついてきた、と言えるでしょう。
日本企業で、コンサルティングファーム出身者がカスタマーサクセスに転職するケースが増えてきている理由に、
「(SaaS企業を中心に)企業の給与水準の向上していること」が挙げられます。
もちろん、まだまだコンサルティングファームの給与水準と比較すると劣る部分はあるものの、
コンサルティングファーム出身者にとっても「悪くない」水準になってきたのではないでしょうか。
コンサルとカスタマーサクセスの共通点・相違点
コンサルティングは、顧客企業に入り込み、様々なエビデンスを用意しながら顧客に対して提案し、顧客の意思決定を支援する仕事です。
その意味で、コンサルティングファーム出身者は「提案する」ことに長けている方が多いと言えるでしょう。
カスタマーサクセスも、製品・サービスを導入いただいたお客様に深く入り込み、
製品・サービスを活用して「サクセス」いただくために提案をし続ける必要があるため、
コンサルティングとの共通要素と言えるのではないでしょうか。
一方でコンサルティングとカスタマーサクセスとで違いもあります。
コンサルは一般的には”提案する”ところまでが仕事であるため、
「提案後、実際にその提案を(顧客側で)ちゃんとやってもらえるかわからない」というケースは多くあると言われています。
「提案後、顧客社内でしっかりやり遂げてくれてるかを見たい、提案後のフェーズも寄り添いたい」というコンサル出身者の方も実は結構いらっしゃるのです。
カスタマーサクセスは、”提案”がゴールではなく、長く製品やサービスを使っていただくためのサポートをしていくため、
「顧客社内で製品・サービスが浸透している」ことを肌で感じることができるでしょう。
こうした経緯で、コンサル出身者がカスタマーサクセスに転職する、
という流れになっている部分も大きいのでは、と考えています。
コンサル出身者は、「超ハイタッチ」カスタマーサクセスとして活躍が期待できる
コンサル出身者はカスタマーサクセスとしてどのように活躍されるケースが多いのでしょうか。
結論、「超ハイタッチ」のカスタマーサクセスとしての役割を期待されることが多いです。
コンサル出身者が日本企業のカスタマーサクセスで転職すると、
「大手企業向けのカスタマーサクセス部門」に配属されるケースが多いでしょう。
コンサルティングファームでは、基本的にお客様は大手企業であることが多いため、
コンサル出身者は大手企業に対してのコミュニケーションに非常に長けてるケースが多くあります。
大手のお客様向けに単価も高めに取れているSaaS企業(具体的には、月額100万以上〜)では、
コンサル出身者を採用し、活躍されているケースが多く見受けられます。
逆に言えば、月額10万くらいの単価があまり高くないSaaSの場合、
コンサル出身者を採用するのは難しいケースが多いと思います。
コンサル出身者の方が本領を発揮できるのは、プロジェクトマネジメントやお客様社内の調整局面であることが多く、
低単価のSaaSではあまりそういった調整は発生しないケースが多いためです。
コンサル出身者がカスタマーサクセスとして転職される時には、
コンサルティングファームで経験したプロジェクトマネジメント等コンサル特有の仕事の進め方を踏襲しつつ、
そこにカスタマーサクセスの要素を付け加えていく、といったキャッチアップの流れになるのではないかと思います。
コンサル出身者の活躍の場は「Ops」もあり!
また、コンサル出身者の方は「Ops」として活躍する道もあるのではと考えています。
「Ops」とは一言で言えば「カスタマーサクセスの企画職」的なポジションであり、
ITツール等を使いながら業務改善をしていく役割が求められます。
前提として、コンサルといっても業務改善が得意な方、ITに強い方等、領域によって得意・不得意は様々です。
中でもITを活用しつつ、業務プロセス改善を進めるようなコンサルティングのスタイルを経験した方がカスタマーサクセスとして転職すると、
カスタマーサクセスのプロセス全体に、そういった業務プロセス改善のノウハウを反映していただけるのでは、と期待をしているのです。
なぜかというと、本来お客様のIT活用を推進し、
サポートするカスタマーサクセスの方々自体が「実はITに弱い」というケースもあるためです。
そういった環境にIT活用が得意なコンサル出身者の方に入っていただくことで、
カスタマーサクセス業務全体のデジタル化を図り、生産性向上等様々な効果を期待できると考えています。