【注目ワード】カスタマーサクセスでPMFを加速させる方法!

  • 公開日:2024年1月29日(月)

 

 

今回のテーマは、「カスタマーサクセスでPMFを加速させる方法」です。

PMFは、「プロダクトマーケットフィット(Product Market Fit)」の略ですが、
今回の記事は、カスタマーサクセスとPMFの関係を軸に解説します。

スタートアップにとって、PMFで最も重要なのは「M=Market」!

PMFという言葉は、もともとアメリカのスタートアップにおいて使われていた言葉であり、日本でも使われることが多くなっています。

PMFの「M=マーケット」は、「市場」や「顧客」という意味合いになります。
ここから読み取れることは「PMF=プロダクト(Produce)が市場や顧客(Market)にしっかりと合っている(Fit)状態を作らなければならない」ということです。

では、PMFはカスタマーサクセスとどのような関係があるのでしょうか。

スタートアップがPMFを目指す際、一番意識すべきものは「M=マーケット」です。
スタートアップにとっては、マーケットのサイズ感や大きさ(市場規模)が非常に重要になってきます。

スタートアップはベンチャーキャピタル(VC)等のファンドから投資を受け、ビジネスを推進します。
VCは、投資の結果であるリターンを最大化できるスタートアップに投資したいと考えているため、
「PMFの”M”のサイズ感や大きさにどの程度のポテンシャルがあるか」をかなり注意深く見ています。

M=マーケットが大きいということは、より多くの企業と取引するポテンシャルがある、ということですし、
PMFは、そうした目指すマーケットに対し、自社のプロダクトをフィットさせていく作業になります。

とはいえ、マーケットが大きくとも「どの企業でもお客様になります!」という認識だと、顧客像がぼやけてしまいます。

ですから、お客様に対して適切なセグメントやペルソナをきちんと用意することも重要です。

ここまでのポイントをまとめると、
PMFとは「現在の市場環境の中で最も自社にあった市場もしくは顧客セグメントを探し、そうした顧客に対していかに製品をフィットさせていくか」という考え方・取り組みになります。

PMFとカスタマーサクセスの関係性:マーケット(M)にプロダクト(P)を合わせる(F)調整弁!

ここまではPMFについて解説してきましたが、
PMFとカスタマーサクセスとの関係はどのように考えればよいのでしょうか。

先ほど「特にスタートアップはマーケットの大きさが大事」という話をしました。
スタートアップの営業は、基本的には「取れそうな案件」であれば取りに行く、というのが正しい姿勢です。

会社としては、顧客数や売上が増えるのは当然嬉しいことであるため、
自社の顧客像や狙っている市場から外れているとしても、営業は案件をどんどん取っていこうとします。

ただこのように、自社の顧客像や狙っている市場ではないお客様に営業していくことで、お客様の顧客属性がどんどん広がっていきます。

そうすると、カスタマーサクセスの視点としては「これまでに支援をしたことがない」「成功確率が高くなさそう」といったような、
新しい業界・業種のお客様のパターンや新しいニーズに直面することになるでしょう。

今カスタマーサクセスに関わっている方の中には、「営業が取ってきたのはいいが、うちのサービスとはフィットしないのではないか・・・」といった事例もあるのではないでしょうか。
とはいえ、営業が受注できたということは、そのお客様にとってサービスを活用することに対して何かしらの期待を持っており、
何かのポイントに対して「良い」と思って契約していただけたわけです。

つまり、新しい業界・業種や今までとは違う顧客像であっても、「カスタマーサクセスとしての価値提供の可能性が高い」お客様であると言えます。

「マーケットが広がり続ける・大きく見せる」ことは、
より多くのニーズ、より多くのお客様に展開していく余地があるとも言い換えられるのです。

製品やサービス・カスタマーサクセスの活動を常に拡張させていく、
今よりも大きいお客様に対する調整弁の役割がまさにPMFの「F」であり、
この「フィットさせていく」ことが、カスタマーサクセスの役割としては非常に重要だと言えます。

プロダクト改善やサービス改善をカスタマーサクセスが主体的にやるべきであり、
プロダクトマネジメントはカスタマーサクセスにも関わる仕事です。

営業が案件を取ってきた、「これまでの自社のコア顧客から少し離れたニーズ・課題を持っているお客様」に対し、どれだけフィットさせるか、
その調整弁になるのがカスタマーサクセスの役割であり、「プロダクト」をどう「フィットさせるか」を主体的に考える必要があるからです。

カスタマーサクセスは、顧客の声を適切にプロダクトにフィードバックして「PMF」に貢献すべし!

では、具体的にどのようにカスタマーサクセスがPMFを担っていくべきなのか。

「M=マーケット・顧客」は、営業活動を頑張れば頑張るほど、お客様の規模感やニーズ、対象とする業界や業種がどんどん広がっていくジレンマに陥りがちです。

もともとの顧客像ではないお客様から受注できた場合、それをカスタマーサクセス担当がフォローアップしようとすると、
オンボーディングプロセスにおいてお客様に「プロダクトの機能が足りていないのではないか」「事前の期待と違うかも」と感じられてしまうこともあるでしょう。

お客様は営業が伝えた話を元に「いいな」と思って期待して発注した、
しかし製品サービスがその期待値に追いついていない状況でカスタマーサクセスをやらなければならない、というケースも多々あります。

このようなケースでは、プロダクトを改善することでお客様の期待に応えられるのであれば、
カスタマーサクセスは「VoC(Voice of Customer)お客様の声」をしっかりと拾い上げ、
プロダクト開発部門にきちんとフィードバックするという役割を担うべきです。

とはいえ、あまりにも無理・無謀な顧客要望や、自社製品のコンセプトや基本的な機能から離れすぎている場合は、
「こういった案件は、自社の顧客像や現状の機能から考えると十分な価値を提供できないため、案件を取るべきではない」等、営業側にフィードバックする動きも重要です。

このようにして、時に対応したり、時には断ったりを繰り返しながらも、
「自社が獲得すべきマーケット」をうまく見据えながら顧客層を広げていくことは、
PMFに向けたカスタマーサクセスが果たすべき大きな役割と言えるでしょう。

PMFのうち「P=プロダクト」は、SaaSとして提供する限りはいくらでも機能を開発し、拡張することができますし、新規事業として作ることも可能です。

アメリカでは、直近「コンパウンドスタートアップ戦略」が流行っています。
大きなマーケットを見据えようとすると1つのプロダクト(ワンプロダクト)では顧客の期待値に応えられないため、複数のプロダクトを作り、より大きいマーケットでもフォローアップできる体制を作る、という戦略です。
日本でもLayerX等が同様の戦略を打ち始めています。

PMFは「マーケットに対して適切なP=プロダクトを用意する」という作業の繰り返しですので、
M(市場・顧客)、P(プロダクト)とのバランスを考えつつ、
「MをPにうまく合わせていく」という作業を、カスタマーサクセスからも積極的にやっていきましょう。

顧客との商談状況を完全に可視化し、データを基にして的確な営業戦略を立案。個人のスキルアップのみならず、組織全体の営業力を大幅に強化。 営業のためのDXプラットフォーム「openpage」。全貌を、特別資料にてご覧いただけます。
新規CTA
新規CTA

最新記事