今回のテーマは「アメリカの最新トレンドはカスタマーサクセス」です。
「不況時にはカスタマーサクセスがトレンドになる」ということ、ご存じでしたか?
カスタマーサクセスは、実は不況のさなか誕生したのです。
カスタマーサクセスの誕生の歴史を紐解きながら、今すべきことは何か?について解説します。
90年代後半、アメリカは 「ドットコムバブル」に沸いた
「カスタマーサクセスはsalesforceから生まれた」という話は有名だと思いますが、
「なぜsalesforceがカスタマーサクセスに本気で取り組む必要があったのか?」という話は、今までお伝えしていませんでした。
salesforceがカスタマーサクセスに取り組み始めたのは「ドットコムバブル」の影響が非常に強くあると言われています。
salesforceが創業された90年代後半のアメリカでは、IT企業・ITベンチャーが「バブル」を迎えていた時期です。
つまり、IT企業にたくさんのお金が流れていた時代でした。
このドットコムバブルでは、GoogleやAmazonも誕生していますが、
「ITによってすごいものが生まれるのではないか」といったIT企業に対する非常に高い期待感が醸成されていた時期であり、
アメリカのIT企業全般が潤っておりまさに「バブル」状態でした。
ドットコムバブルはアメリカだけにとどまらず、日本においても同様にIT企業は活況な時代でした。
具体的にはサイバーエージェントやソフトバンク、ライブドアなど、名だたるIT企業が立ち上げられ、盛んにビジネスを展開していました。
このような状況下で、salesforceも好景気だった成長中のITベンチャー企業との取引が非常に多く、ビジネスをぐんぐん伸ばしていました。
カスタマーサクセス誕生前夜 - ドットコムバブルの崩壊
しかし、2001年ごろにはこのドットコムバブルは完全に弾けてしまい、
投資家からのIT企業への期待感も一気に収縮し、ドットコムバブルに乗じて設立されたIT企業は軒並み潰れていったのです。
先述の通り、salesforceも多くのIT企業と取引があったため、IT企業からの「解約ラッシュ」という厳しい状況が続きます。
一方、ドットコムバブルが崩壊した後も大手企業との取引は安定的に続いていました。
ちょうどsalesforceは上場を目指していた時期であったため「大手のお客様との取引を増やしたい」と考えていました。
つまり「大手企業の解約を防ぐ」ことが全社的にも大きな課題となり、
ゆえに「カスタマーサクセスに注力しよう」という強力なインセンティブになっていたのです。
このような歴史を紐解くと、「不況になるとカスタマーサクセスは強化される」と言えるでしょう。
歴史は繰り返す - カスタマーサクセスは不況時に強化される!
歴史というのは繰り返すものです。
各国でIT企業のリストラのニュース等を耳にすることが増えてきました。
SaaS企業も、可能な限り安定した財務基盤がある大手企業と取引をしたい・安定化を図りたいと考えているでしょう。
不況に突入しようとしている状況だからこそ、カスタマーサクセスが再トレンドになってきているのです。
この流れは、日本でも同様です。
openpage・藤島自身も、雑誌やテレビ等の取材依頼が増えています。
大手のメディア様からは「視聴者により分かりやすい言葉で、基本的なところから説明してほしい」と相談されることが多いため、
有名な会社の例を挙げつつ、普遍的なノウハウやビジネス知識のような形での説明を心がけます。
こうした活動を続けることで、一般的な「ノウハウ」として主流になり、多くの企業にカスタマーサクセスが広がっていくでしょう。
不況の中でもカスタマーサクセスの取り組みは地道に続けていく必要があります。
こうした取り組みを私たちも継続的にご支援できればと考えています。