【裏技】副業人材の活用で、カスタマーサクセスを立ち上げよう!

  • 公開日:2022年9月28日(水)

 

 

副業人材を活用してカスタマーサクセスの部門の立ち上げや、カスタマーサクセスの取り組みを進めるポイントについてご紹介します。
前回に引き続き、カスタマーサクセスの副業や転職のサービスを取り扱っている株式会社KOMMONSの白塚様と、Openpage代表・藤島の対談形式でお届けします。

(以下敬称略)

カスタマーサクセスにおける副業人材の活用方法

CSの「仕組み作り」を副業としてサポートする

白塚:
カスタマーサクセスにおける副業人材の活用の仕方としては大きく2つあるかなと思っています。
1つはカスタマーサクセスの「仕組み作り」の面を、コンサルタントのような形で入っていくパターン。
もう1つは、カスタマーサクセスの「お客様対応」。
コロナ禍もありフルリモートの企業も多いため、チーム分業でお客様対応を行うパターンも多いです。

藤島:
それぞれ深堀りしていきたいのですが、まず「仕組み作り」はどのようなことをされるのでしょうか。

白塚:
カスタマーサクセスにおいては、セールスから引き継ぎお客様の製品の使い始めを支援する「オンボーディング」フェーズ、お客様に製品を使いこなしてもらい、しっかり成果を出していただく「アダプション」のフェーズといったプロセスがありますが、
それぞれどういったタイミングで、どのお客様にどのような支援をすべきか、ユーザージャーニーに沿って考えていくことが、仕組み作りとしては多いのではないでしょうか。

「CSの仕組み作り」の進め方

藤島:
白塚さんは、色々な企業様と取引されていると思いますが、そういったカスタマーサクセス仕組みを「まだ何もないところから作っていく」というケースが多いのでしょうか?
それとも、もう既にユーザージャーニーがあって、それを改善していくのでしょうか。

城塚:
両方あります。
1つ目に、カスタマーサクセスの立ち上げ期に関しては、そういったユーザージャーニーがないところから作っていく形が多い印象です。
そのため、最初は顧客企業の方とオフラインで、膝を付き合わせて話し、実際にユーザージャーニーに沿ってお客様の対応をしていく。

2つ目、一方で、ある程度ユーザージャーニーできており、お客様がいて、お客様のデータは取れてる状態であれば、
例えば「解約率が計画よりも高くなっている」「お客さんのMRRが上がっていかない」といった点に対して、「どこに抜け漏れがあるのか」を見極め、その改善を進めていくというやり方です。

藤島:
そういったフェーズで副業の方がアサインされるわけですが、
アサイン後、副業の方はどのようにそういった仕事をされているのでしょうか。

白塚:
まず最初は、顧客企業の方とプロダクトのキャッチアップに時間をかけることで、その後のプロジェクトの進行がスムーズになると思っています。
最初の2〜3週間ぐらいは営業・プロダクトのインプットとお客様のキャッチアップに努めていただき、そこから先ほど申し上げたような具体的なプロジェクトを進めていく流れです。

藤島:
いきなり仕組み化から入ろうとすると、僕だったら「ちょっといきなりですか?」という感じになっちゃうのですが、最初からもう仕組み作りに入ってしまうのか、あるいはもう少し軽いところから入っていかれるのでしょうか。

白塚:
顧客企業の緊急度にもよりますが、一旦は「今やっている業務の中で、どのあたりを副業の方におまかせしていきますか?」ということを、顧客企業の方とすり合わせていくケースが多いかもしれません。
突然外部からコンサルの方が入ってきて、「明日から業務改善スタートします!」となると、藤島さんのおっしゃる通り現場の方も「え?」となってしまうでしょうから、、そうならないよう、顧客企業側とのゴール設定から始めつつ、具体的な議論を進めていくのが良いかなと思っています。

どんな部門・部署がCS副業を求めている!?

CS副業を募集する部門とは

藤島:
さらに深堀っていきたいのですが、一般的に企業の「カスタマーサクセス部」が副業を募集しているのでしょうか?それともカスタマーサクセス部以外の部門が依頼をされるのでしょうか?

白塚:
今の時点では「カスタマーサクセス部」からのご依頼のケースが多いと思います。
あとは、経営企画といった部署から引き合いをいただくケースも増えてきています。

藤島:
依頼される「部」の規模としては、大体何名ぐらいが多いのでしょうか?

白塚:
カスタマーサクセスの立ち上げ期だと、1〜5名ぐらいの本当に小さいフェーズですね。
拡大期には、4〜5名超えたぐらいのフェーズで、「属人化しない」仕組み、あるいは「カスタマーサクセス活動として何をするのか」を決めていく必要があります。

副業を推進するのは、どんな役職の方が多い?

藤島:
副業の活用は部長職の方等が推進されるのでしょうか?
あるいは、現場のメンバー職・企画職のような方がやられるのでしょうか。

白塚:
最初は部長職の方と要件をすり合わせ、その後手を動かす部分は現場の方と一緒に進め、
アドバイザー的な形で進めていくケースが多いですね。

副業を活用する企業側が気を付けるべきポイントは?

藤島:
こういった「副業を活用する企業側が気をつけるべきポイント・落とし穴」はなんでしょうか。

白塚:
僕らも、ご支援をする中でちょっとうまくいかなかったというケースもあります。
特に「カスタマーサクセスの設計を進めていきましょう」というフェーズに関しては、
「やることが決まった後で、それを作り込むためのリソースが足りない」というケースがかなり多い印象です。

元々カスタマーサクセスの方々が、基本的に「お客様対応のリソースしか取れない」というケースも多く、お客様対応に加えて新しく資料を作り直したり、フローを整えたり、CRMを整備する等、そういった部分まで手が回らないケースが多いかと思います。

藤島:
私も色々な企業のカスタマーサクセス部門の方とお話させていただく中で、
「スタッフ不足」的な問題は非常に痛感するところです。
Openpageのお取引先の企業様でも、「資金調達を数十億しました、でも全然企画職がいないです」みたいなケースがあります。
大型の規模の資金調達をする企業様には、「企画職の方を入れて仕組み化に注力した方が良いですよ」という話はよくします。

その意味では、カスタマーサクセスに限らず、SaaSやベンチャー企業全般的に、「企画人材不足」という問題はあるかもしれませんね。

カスタマーサクセスの「企画職」が不足している

社内で企画職を確保する必要性の高まり

白塚:
私どもも、カスタマーサクセスをメインのドメインとしていますが、
そこからセールス企画や、全体を見る企画職として業務内容が発展していくケースもあります。

藤島:
一方で上場しているSaaS企業になると、
Ops職のように「カスタマーサクセスを支援する部門」あるいはチームも増えてきている印象です。

白塚:
そうですね。こういった企画の部分を、業務委託の方に入っていただいてやっていくイメージが良いかもしれません。

藤島:
2022年5月現在の話ですが、上場企業の時価総額は軒並み下がっている状態です。
売り上げや取引社数に傾倒している今の経営のやり方から、おそらく利益ベースの経営が求められてきている、と非常に感じています。
そうなってくると、企画スタッフが業務改善としてカスタマーサクセスにメスを入れていくことは、SaaSの上場企業を中心に起きてくるかなとも思います。

白塚:
上場企業は、ある程度MRRを立てて、その中でさらに利益率を上げていくためには、ある程度社内で企画する人材を確保していく必要がありますね。

企画職こそ「副業人材」が最適!?

白塚:
一方で、僕らが副業活用でご支援させていただくケースは、「カスタマーサクセス以外にも職種がある中で、リソースを割ききれない、でも、やらないといけないとわかっている」といった部分であり、そういった部分が業務委託の活用にはちょうどいいのかなとも思います。

藤島:
弊社Openpageでは、IT・外資系の企業の方が、カスタマーサクセスの副業として入っていただいています。
やはり外資系の方はバリバリ働く。外資系の特に大企業だと何万人もいる環境なので、「仕組み化」には非常に長けているなと感じます。
そういった方に副業で入っていただくメリットはありますよね。

CSの「実働部分」も副業にお任せ!?

「実働部分」における副業・業務委託の方の活用メリット

白塚:
先ほど企画職として副業人材を紹介させていただいているという話をしましたが、
手を動かす「実働部分」についても、副業や業務委託の方の活用メリットがあると思っています。

藤島:
Openpageでも、KOMMONSから紹介していただいています。

白塚:
実働部分で業務委託の方を活用されて、いかがでしょうか。

藤島:
カスタマーサクセス経験者の方に業務を担っていただくので、「こんな業務の進め方があるのか」ということを知るいい機会になります。
自社メンバーだけでずっとやっていると見えなかった視点や仕事術が、外部の方に入っていただくことでイメージできるので、副業の方にリーダーシップをとっていただいて、現場メンバーがそれを学んでいく、という好循環が生まれていてポジティブに捉えていますね。

白塚:
そう言っていただき安心しました。
副業を活用する上で、顧客企業側で「業務の管掌」が整理されていないと、副業人材が入った後に役割がふわっとしてしまい、「(副業の方に入っていただいて)良かったのか・悪かったかわからないね」という評価を受けてしまうケースもあります。

Openpageさんでは、藤島さんが副業の方のオンボーディングのタイミングで、業務の要件定義をしていただいているので非常にやりやすい環境ではあるのかなと。

副業の方の業務設計

藤島:
副業人材の活用に関しては、副業の方の業務設計をどうするのかを手放しで任せるのはあまり良くないと感じました。副業の方も、自社に属してくれるわけではありません。
あくまで「副業」なので、その人が持てる業務量というのは限界があると思っています。

そのため、できるだけ「その人がやりやすいサイズ感」に仕事を分割してあげて、うまく業務を依頼してあげる必要があるなと感じています。
副業人材の方々への仕事の任せ方として、何か推奨する方法とかあったりされますか。

白塚:
「最初にしっかり決めていく」ということは間違いないなと思っていますが、
「こういうふうにやったらいい」といったレベルまで言語化できていないのが実情です。

そのため、直近だと非常にうまく回っているケースでは、僕らがしっかりサポートをして、要件定義もある程度調整した上で、副業人材の方に案件をご紹介させていただく、という形ですかね。

藤島:
自社でそもそも副業人材を活用する上では、要件定義や業務のステップ設計がふわっとしてしまいがちですよね。
KOMMONSさんでもサポートいただけるということですが、できる限り自社で何を依頼するのか、どんな手順で、どんなゴールに向かって依頼をするのか、をしっかり言語化して臨んだ方が良いでしょうね。

業務委託・副業の活用をきっかけに自社の業務を見直す

白塚:
そうですね。
業務の言語化って、社内でされてないケースも意外と多いんじゃないかなと思います。
「業務委託の活用」はリソースを充足させるという観点もありますが、
「自社でこんな業務をやっていて、この部分を切り出せるのでは」という点を理解する良いきっかけになるのではないでしょうか。

藤島:
私は前職がビズリーチでした。人材系の会社なので業務の標準化は回数をこなしていましたが、現場を見ると、人事の方がふわっとした表現で求人票を書いてしまったり。
ひどいときはコピペで済ませたりするケースもあるのです。

現場の方々も採用やオンボーディングに向き合い、「このポジションはこんなスキルが必要だよね」「こんな感じでオンボーディングさせる必要があるよね」という部分を詰め切っている会社さんは、私も取引をしていてうまくいってるなと思っていました。

カスタマーサクセスの副業も同様ですよね。

白塚:
「カスタマーサクセス内でやらないといけない業務」は非常に多岐にわたると思っています。だからこそ、業務整理ができているか・できてないかは副業人材の活用のしやすさにも繋がりますし、ゆくゆくは採用の部分にも効いてくるのかなと思ってます。

副業人材を活用するか・採用するかの2択ではなくて、両者のバランスをとりながら進めていくハイブリッド型が、今特にカスタマーサクセスには求められているのではないでしょうか。

一方でカスタマーサクセスという職種自体新しいから、「何かお願いすればいいかわからない」というケースもあるでしょう。
特にカスタマーサクセスの経験者が社内にいらっしゃらないケースの方が多いと思いますので、まずはふわっとした、言語化できていない場合でも一旦壁打ちさせていただき、少しずつ課題をほぐしていくところからご一緒させていただくことも多いです。

そこもまた副業との親和性が高いのかなと思っています。

KOMMONSではホームページからお問合せを受け付けています。
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KOMMONS
・ホームページ:https://kommons.co.jp/
・白塚様のTwitter:https://mobile.twitter.com/cskommons

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