【実録】カスタマーサクセスの起業家のリアルを暴露!

  • 公開日:2022年9月30日(金)

 

 

本稿では、「カスタマーサクセスの事業化のリアル」を暴露してもらいます。
今回も、カスタマーサクセスの副業や転職のサービスを取り扱っている株式会社KOMMONSの白塚様と、Openpage代表・藤島の対談形式でお届けします。
(以下敬称略)

カスタマーサクセスとカスタマーサポート

カスタマーサポートにおける「標準化」の難しさ

白塚:
僕のキャリアを少し遡らせていただくのですが、
総合商社でIT部門、その中でもカスタマーサポートという領域で担当をしていました。
カスタマーサポートのコールセンター企業に出向して、半年ほど沖縄で業務を担当していましたが、外資系企業のクライアント向けにレベルの高いサポートをしたのが僕らのチームだったのです。

藤島:
確かに、外資ですと求められるレベルは非常に高そうです。

白塚:
コールセンターでは非常にレベルの高い業務をやっていました。
カスタマーサポート業務は「人がサポートする」点に価値があるって思っていて。
反対にうまく業務を標準化していかないと、業務の属人化が発生してしまう点が、非常に難しいのかなと感じました。

僕がいたチームだと、業務が難しい上に属人化してしまっており、
「本来であれば標準化されるべき実働業務」に人手が取られてしまっていて。

その結果、その担当の方々の負担がどんどん大きくなっていって、採用要件も厳しくなり、人が増えずなかなか標準化も進まない、という負のスパイラルに陥ってしまっていました。
その時に「人だけでは解決しきれない課題があるな」と感じたのです。

藤島:
先日「コールセンタージャパン」という雑誌の矢島編集長という、カスタマーサポート業界ではお詳しい方とお話する機会がありました。
彼も「CSは常に人材不足に悩まされており、いつも困っている状態だ」とおっしゃっていましたね。

お客様のために頑張る方々が評価されて、活躍できる世界にしたい

白塚:
業務標準化がしきれず、属人化してしまう厳しい職場であっても、
「お客様のため」を思って頑張っている方々がいらっしゃる。

「そういった方々が正当に評価されて、活躍できるような世界になるといいな」と思ったのが、最初の起業のきっかけでした。

入り口としてはカスタマーサポートでしたが、
今後サポートは「お客様に価値を提供していく」という意味で、「サクセス」に近づいていくのではと考えていました。

そこでまずは、「カスタマーサクセスでどういった取り組みがされてるのかを知りたい」と思ってスタートアップに飛び込んでみて、そこで「カスタマーサクセスとは何か」をある程度学んだ上で、KOMMONSという会社を立ち上げています。

藤島:
総合商社からスタートアップに飛び込むことに抵抗はなかったのでしょうか。

白塚:
前職で、土日の時間を使って副業で新規事業を立ち上げをしていて、お客様に満足いただけるようなToCのサービスを作ることができた。
そこで「本気になってやればできるもんだな」という謎の自信を身につけ、起業したみたいなところがあります。
そのため、不思議なくらい全然抵抗はありませんでした。

カスタマー「サポート」と「サクセス」の違う点や共通点は?

藤島:
最初はカスタマーサポートの領域で起業されたと思うのですが、
「サポート」と「サクセス」の違う点、あるいは共通点は感じられましたか。

白塚:
カスタマーサポートの取り組みは、「企業で売上に紐づいていない」と思われがちですが、
実際しっかりデータを集めると、カスタマーサポートで満足された方が次の購買に繋がったり、売上に繋がっているケースも多い。
その意味で、カスタマーサクセスとカスタマーサポートは地続きになってるんじゃないかなと思いました。

とはいえ、カスタマーサクセスは、能動的に「人」がやる分、営業的にサポートしていく領域が多い。
反対に、サポートの領域に関しては「業務」をいかに定型化してうまく回していくか、
といった点が求められるのかが、違う点なのかなと思います。

事業立ち上げの「リアル」

事業立ち上げで苦労したこと

藤島:
どういう経緯で今の事業を始められたのですか。

白塚:
僕が今展開しているサービスは、「カスタマーサクセスの副業人材を紹介するサービス」です。
業務の属人化を避けた仕組み作りのためにはオペレーション設計能力が必要ですが、
それをできる人ってめちゃめちゃ少ないのです。

そういった方々を採用するのは難しいが、副業人材として、であればより多くの企業さんに、彼らの知見を共有できるのではと考え、副業サービスを立ち上げました。

藤島:
カスタマーサポートとカスタマーサクセスの領域の事業を立ち上げる上で、苦労された点はあったりするんですか。

白塚:
1年弱ぐらいリサーチを重ねて、リモートの環境下で、家で1人で1日300〜400件ぐらいお客様企業に電話をかけていくのはしんどかったなと思います。

藤島:
テレアポを1日で3〜400件やられてたんですか。

白塚:
そのときは本当に何のアイディアもなかったので・・・。
そこで何か謎のタフネスさが身につきましたね(笑)。

藤島:
商社マンっぽいですね(笑)。
そこから事業として、「ちょっと手応えを掴み始めた」というのはどの瞬間からですか。

白塚:
カスタマーサクセスの副業に関する話をしている中で、色々な起業の方にTwitterでDMを送ったのですが、びっくりするぐらい返信をいただいたんです。
DMはほとんど返ってこないという印象があったので、「副業にお客様の課題がありそうかな」という手応えを一番最初に感じた瞬間でした。

カスタマーサクセスで「印象に残っている人」とは?

藤島:
カスタマーサクセス関連の方とお会いしてると思いますが、印象に残ってる方とかいらっしゃいますか。

白塚:
元イタンジの原島さんや、ChatworkでCSの立ち上げをされている大河内さんには非常にお世話になっていますし、カスタマーサクセスの知見も非常に豊富な方々かなと思っています。

藤島:
カスタマーサクセスのイベント等で登壇している方もいらっしゃいますが、
私も色々な企業のカスタマーサクセスの方々とお話していると、普段登壇等はしていなくても知見が豊富な方は多いな、という印象があります。

白塚:
僕らも発信のお手伝いはしています。
「カスタマーサクセスの知見がある方」をもっと皆さんに知ってもらうことができたらいいなと思っています。

カスタマーサクセスの副業に興味がある方へ

CS KOMMONSへの参加方法

藤島:
ぜひそのような方々をカスタマーサクセスTVに呼んでください(笑)。
そういった方々を紹介している場はあるのでしょうか?

白塚:
当社では「CS KOMMONS」というコミュニティも運営しております。
Slackで、皆さんと会社の壁を超えて交流できたり、その中でも詳しい方にウェビナーを開催していただいて、カスタマーサクセスに関する知見を得る活動をしています。

藤島:
今、何名ぐらい登録されているのでしょうか?

白塚:
ありがたいことにそろそろ500名にそろそろ達しそうな状況です。

藤島:
どうやったら登録できるのでしょうか?

白塚:
コミュニティに関しては、私どものホームページから無料登録ができますのでご登録いただけたらと思います。
KOMMONSのHP:https://kommons.co.jp/

藤島:
どんなきっかけでコミュニティを立ち上げようと思ったのでしょうか?

白塚:
カスタマーサクセスの皆さんの共通の課題として「他社はどうしてるんだろう」っていうのを気にしてらっしゃる方っていうのは非常に多かった。
そういったところで最初始めてみたら、反響をいただいていて。
今はそこにかなり力を入れながら活動を進めていっています。

藤島:
今後そのコミュニティとかはどういう方向でやっていきたいとかってあるんでしょうか。

白塚:
CS業務で標準化を進めていくにあたって、「優秀な方々」の力が必要なのですが、
こういった方々の年収って海外と比べるとまだかなり低かったりします。
「業務を標準化しなくても、なんとかなっちゃってる企業さん」も結構多いのかなと思っています。

でも、それは健全ではないと思うのです。
本来であればもっと価値を出しているはずの人材が、正当な年収を得られていないゆえに、「企業側も業務分担をしなくていい状態」になっている。
これは、長期で見ると「SaaS業界全体の不利益」に繋がっていると思うのです。

そこで、そういった方々がちゃんとキャリアアップできるような場所を用意してあげたいなっと思い、転職の支援も始めています。
そして、これからCSに挑戦していく方等、「この方々みたいになりたいです」という方々が、コミュニティ内で勉強できるようなコンテンツを作っていけると良いかなと思っています。

CSの副業をはじめるには?

藤島:
今やられているその採用サービスについて聞きたいのですが。
今コミュニティには「副業に興味がある方々」が集まってらっしゃいますよね。採用のサービスにはどういう形で登録するのでしょうか?

白塚:
コミュニティに入ってくださった方々に対しては、基本的には皆さん副業の機会をご案内しています。
「副業=ハードルが高い」と感じられてる方って多いんじゃないかなと思っていますが、
副業はオンラインベースでやりやすくなっていることを僕らは知っています。

こういった部分を知って、副業を前向きに考えてほしいなと思っており、僕らからは「(副業であっても)しっかり適切なオファーをさせていただきますよ」という話をしています。

藤島:
今後もどんどんカスタマーサクセスの人も増えていくでしょうし、
副業やる人も増えていくでしょうし、白塚さんも大変ですね。

白塚:
大変ありがたいことに、「僕だけではなかなか回らない」みたいな状況になってきてまして、採用をしながら進めているところではあるんです。

また、新しいサービスも考えています。
業務標準化を進めた後で、その後の業務を担う方々がやっぱり不足している。

ここについては、「カスタマーサクセスを2・3年やってました!」という方である必要はなく、
どちらかというと「お客様のことを考えられる」等のベーススキルがある方であれば、
セールス出身者でも、マーケティングでも開発の方でも活躍の場は用意されているのかなと思っています。

そういった方々にCSを知っていただいて、その道をご検討いただけるような転職支援サービスを進めていこうと思っています。

カスタマーサクセスという職種はいきなり出てきた職種ではありますが、
業務内容としてはこれまでの職種の経験がかなり活かせると思っています。

いかにして、未経験の方に適切なカスタマーサクセスのポジションを紹介して、マッチングできるかが重要かなと考えています。
その部分を「CSKOMMONS」というコミュニティで色々な方々から話を聞いた中で、
「我々であれば間違いない」というマッチングの精度を実現できるんじゃないかと考えています。

藤島:
もうすでにカスタマーサクセス業界で活躍しているプロフェッショナルの方から、カスタマーサービス未経験の方まで、幅広い人がKOMMONSに相談することで何かしらカスタマーサクセスの仕事に挑戦できる、というのは素敵な世界観ですね。

白塚:
コミュニティ自体、まだ国内ではなかなか成功事例って数えるほどしかないかなと思っています。
「この領域だからこそできるコミュニティの形」があると思っていますし、今登録している方々、これから登録いただける方と一緒に作って行けると良いかなと思います。

藤島:
この動画(記事)もKOMMONSの皆さんが見ていただいていると思いますし、カスタマーサクセスに興味を持っている方々も見てくれているかもしれませんので、
ぜひそういった方々のメッセージをお願いします。

白塚:
カスタマーサクセスは本当に新しい職種ではあるんですけども、これから企業が売上を伸ばしていく中で、お客様の「数」を増やすのではなく、お客様の「生涯における売上」を伸ばしていく形になっていくのは間違いないと思います。
その中で、カスタマーサクセスという職は間違いなく、その中心にいると思っています。

いま、既にCSに携わられている方々は、国内のCS領域をさらに引っ張っていただきたいなと思いますし、反対にこれからチャレンジしてくださる方々も、できるだけ我々がチャレンジしやすい場を提供していければなと思っています。
これを見て下さった方は、ぜひ我々のコミュニティ内に一歩踏み出していただければなと思います。

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