【無駄が多い?】カスタマーサクセスのタスク管理必勝法!

  • 公開日:2023年5月18日(木)

 

 

カスタマーサクセスとしてやるべきことは沢山ありますが、タスク管理はどのように行うべきでしょうか?

前回に続き今回も、カスタマーサクセス製品である「CustomerCore」を運営しております、
株式会社リンクの事業責任者の内木場 健太郎 様・守屋 友里 様をお迎えし、
openpage代表・藤島との対談形式でお送りします。

<株式会社リンクについて>
https://www.link.co.jp/

■前回までの記事
・【必見】カスタマーサクセスはアラート設計が重要!

カスタマーサクセスの「タスク」はチームで処理してナレッジ化を!

藤島:
カスタマーサクセスのタスクをどういうふうに設計すべきかっていうのは皆様、今考えてるテーマかなと思うんですけれども、
お二人にお伺いしたいんですが、「カスタマーサクセスのタスク」をどのように管理するとうまくいくとか、どのようにタスクを考えればいいかっていうところを教えていただけますか。

守屋:
まず、タスク管理で重要となるのが、「いち担当者だけで管理して終わり」ではなく、
「メンバー全員で、お客様のタスクやアクションの状況を管理していく」ことが大事かなと思います。

藤島:
カスタマーサクセスのメンバーみんなでこういうタスクをやっていきましょう、と決めて管理する、という形でしょうか。

守屋:
はい、おっしゃる通りです。
それがナレッジとしてどんどん蓄積されてくると、チーム全体のお客様に対する品質の底上げにも繋がるかなと思います。

カスタマーサクセスのタスクは「グルーピングして型化」がキモ

藤島:
カスタマーサクセスのタスクはやろうと思えば100〜200個と考えたり・作ったりできると思うのですが、
どのぐらいの個数を皆さんと共有しておくものなんですか。

内木場:
粒度はお客さんによって様々だと思いますが、
「一つのグループを作っておく」ということが大切かなと。
グループとは「あるお客様に何か変化があったときの、その活動の塊」を指しています。

例えば何か課題があって、その課題を解決するためにやるべきことは何なのか、という
「タスク群」というグループで管理しながら、それを共有していくことが重要です。

藤島:
グループ、というのは初めて聞く考え方でした。
カスタマーサクセスのアクションやアクションのきっかけなのかをグルーピングしましょうという話ですよね。

内木場:
そうですね。
何らかのアラートがシステムから上がった時のアクションはいくつか定型化できるはずです。

例えば、お客様における特定の「変化」をきっかけに、お客さんの周辺のデータを確認しましょう、
あるいはお客様に対してメールを1回送ってみましょう、といったアクションです。

このようにいくつかパターン化してくると思うので、それをグルーピングして、
「ベストプラクティス」としてテンプレート化していく、というのがグループの考え方になるかなと思います。

藤島:
例えば「ログインゼロ状態が2ヶ月続いている」のようなイメージですね。

内木場:
そういうアラートが上がったときにやるべきことは「こういうこと」ですと定義し、
そのナレッジをしっかり共有していくことによって、
カスタマーサクセスでよく課題になる業務の属人化等の課題解決にもつながるのではないかと思います。

藤島:
「よくあるグルーピング」って、例えばどんなものがありますか?

守屋:
よくお客様から言われるのは、いわゆるフェーズごとに行うべきグループを作っていくケースが多いかなと思います。
フェーズというのはオンボーディング・アダプション・エクスパンションというカスタマーサクセスにおいて皆様がある程度共通して取り組まれているフェーズですね。

オンボーディングにおけるタスクの考え方

守屋:
オンボーディング期間においては、特に「型化できるタスク」が多いじゃないかなと思います。

まずオンボーディングのフェーズでお客様としっかり伴走することが大事ということが前提になると思いますので、
オンボーディング、と大きくまとめるのではなくて、
例えば「オンボーディング1」「オンボーディング2」と(ステップに)分けてグループタスクをセットしていくのもいいと思います。

それができてくると、新人のメンバーの方も含めて皆さんが迷子にならずに、
お客様に対してのオンボーディング活動ができてくるのではないでしょうか。

藤島:
「オンボーディング1」「オンボーディング2」といった分け方は具体的にどのような工程があるのでしょうか。

守屋:
お客様のサービスにかなり寄ってくるかなとは思うんですけれども、
まずよくあるのは、一番最初が「キックオフ」です。

実際に操作するのは、製品やサービスの導入をご決断された方ではなく、
それ以外のメンバーの方だったりもするので、その方たちに対しての、まず「導入」の部分です。

どういった目的でこの製品やサービスを導入して、
お客様の企業の課題に対してどういったカスタマーサクセスを行っていくか、ということを明確化します。

次のステップは、いわゆる「サービスの初期設定」というところです。
サービスによりけりな部分もあるとは思いますが、初期設定で止まらず、
カスタマイズが必要になるケースもあると思います。

お客様の課題によって、最初の利活用状況はかなり異なってくると思いますので、
まずはお客様の課題に合わせた形での導入支援が必要になります。

最後は、オンボーディングの後半になってくるので、「1度はサービスを使っている」ことが大事になるのではないでしょうか。
利活用に関しては、エクスパンションも含めて、オンボーディング以降のところで実際に利用されているケースもあると思いますが、
まずはミニマムで必ず「サービスを1周使ってもらって、効果を実感してもらう」というところが、着地かなと思います。

内木場:
付け加えるとすると、カスタマーサクセスはカスタマーサクセス部門で行うことではないため、一番最後に「全社的な認識合わせ」が必要です。

例えば改めてエグゼクティブに対して、カスタマーサクセスの考え方に対する認識合わせをする、といったことです。

藤島:
なるほど。

「オンボーディング1」でキックオフを行い、
「オンボーディング2」で初期設定をし、
「オンボーディング3」でぐるっと1周回って、目線合わせを行う、ということですね。

アダプションのフェーズにおけるタスクの考え方

藤島:
ここまで、オンボーディングについて詳しくお話を聞かせていただきましたが、
その後のフェーズにおけるアクション、特にアダプション・エキスパンションのフェーズのタスクはどのように考えるべきでしょうか。

守屋:
アダプション・エキスパンションのフェーズだと、
特に「お客様の利活用状況」がわかりにくい部分になってくるかなと思います。

オンボーディングのフェーズであれば、
ある程度定期的にミーティングを行う、お客様から直接、状況のお伺いをできると思うんですけども、
そこが終わってしまうと、お客様が使えているのか否かをどうやって判断すべきか、という課題に直面すると思います。

そこで我々は、やはり「データ活用」にフォーカスしています。
前回の記事でもお話しましたがいわゆる「変数」が重要です。

きちんとお客様がサービスを使えているか否かの状況を、データや変数を見ながら把握します。
そしてアラートとともに、タスクの管理を行っていく流れかなと思います。

藤島:
確かにアダプションのフェーズになると、初回のキックオフからも時間が経っていて、コミュニケーションの頻度が減ってきます。

その期間で、ちゃんと「お客様の気持ちが離れてないか」を確認するために、ログイン状況や機能の利用状況といったデータを活用するということですね。
そういったお客様の利活用データが悪かった時は、どのようなタスク・アクションをすべきでしょうか。

内木場:
やはりまずは利活用状況を細かく確認することが重要です。
特定の値の変化をしっかりキャッチして、それをきっかけにまず、今一度このお客様の利用状況を他のデータも含めて、まず確認してみます。

データを見ることによって、今まで気付かなかったというところが見えてきます。
それをきっかけに、お客様とコミュニケーションを作っていくっていうのが、
ある意味ではアダプション以降のカスタマーサクセスの動き方のようになるのかなと思います。

藤島:
なるほど。
先ほど内木場さんが「利活用状況を細かく確認する」とおっしゃいましたけれども、
お客様を理解するためにさまざまな変数を見ながら、
「こういう状況なのかな」と考えた上で、ワントゥワン(1対1)のコミュニケーションをとっていく、ということでしょうか。

内木場:
そうですね。

データにはお客様の気持ちや行動が反映されてきています。
お客様に会っていれば伝えられることも、会っていないから伝えることができない、
でもデータでは出てくる、というものが絶対あると思いますので、
そのお客さんの状況をしっかりウォッチして、何か変化があればお客様も困っているかもしれない。

しっかりデータを見て、お客様に対してカスタマーサクセスとしてコンタクトするきっかけを作り出すことが重要かなと思います。

エキスパンションのフェーズにおけるタスクの考え方

藤島:
最後にエクスパンションについてはいかがでしょうか。

守屋:
エクスパンションについては、これもそもそもエクスパンションできる商材があるか否かにもよりますが、
よくあるのが「機能Aと機能Bを使っているお客様はアップセルのチャンスがあるよね」とか、
単純なものだとレコード数を見て、上位プランの方がこのお客様にとっては利便性が上がって、
費用対効果の部分でも効率よくご提供できるよね、というところもデータとして見ることは可能かなと思います。

藤島:
機能の利用状況とかでレコード数で一定の閾値を超えそうだなというお客様に対しては、
エクスパンション的なアクション、例えば他の商材をセールスするタスクを設定する、そんなイメージですかね。

内木場:
そうですね。

そのときに重要になってくるのが、スナップショット的に「今どうか」ということに加えて、
「どのような傾向にあるのか」を見るのもポイントです。
例えば3ヶ月間連続してレコード数が増え続けているのであれば、きっとお客様はこの製品をうまく使っているのだろう、と推測できます。

こうしたお客様に対しては、アップセルだったりとか、上位プランへの誘導ができると思います。
カスタマーサクセスは「解約」にフォーカスするようなケースが多いため「マイナス面」をしっかり押さえていく動きも重要ですが、
逆にデータが増えて利用率が上がっているお客様をしっかり把握していくことも重要です。

データを確認して、傾向を踏まえた上で、お客様と適切なコミュニケーションをすることが、エクスパンションの時には重要なのです。

藤島:
なるほど。
これまで、オンボーディング・アダプション・エクスパンションという各フェーズでのタスクの中身についてお話を伺いさせていただきました。

今回「タスク管理」というテーマですが、「タスクのマネジメント」はどう考えればいいでしょうか?

内木場:
我々のシステムでは、アラートによってお客様のデータの変化をキャッチして、
それをきっかけにタスクに落としてそれがテンプレート化されて、自動で担当者に対してアサインされていく仕組みを構築しています。

しかし、アラートが多すぎても、アラートを見なくなってしまってそのアラートが意味がなくなります。
その量のバランスを取ってくっていうことがとても大切になってきます。

アラートの量、例えば閾値の変更や調節をしながら、現場のリソースとアラートの量をうまくチューニングしていくことがマネージャーの役割なのかなと思っています。

藤島:
調子に乗ってあれもこれもタスクとして決めていくよりは、
本当に重要なデータの変化があった時にどのようなアクションを取るかを決めていきましょう、ということですね。

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