「カスタマーサクセス」という言葉が日本で普及し約5〜6年が経過しました。
カスタマーサクセスの普及に伴い、カスタマーサクセスの取り組みを支援する「ITツール」も徐々に充実し始めています。
カスタマーサクセスの取り組みが先行しているアメリカでは、ざっと100を超えるカスタマーサクセス関連のITサービスがあるとも言われていますが、
日本はまだまだこれから、という状況であり、正味アメリカの10分の1程度、
つまり10〜20個程度に止まるというのが現状です。
とはいえ、日本におけるカスタマーサクセス関連のITサービスは今後さらに盛り上がりを見せると推測されます。
今回の記事ではカテゴリ別に、現在どのようなサービスがあるかについて解説していきます。
ツールその①:
「カスタマーサクセスのヘルススコア」に関連するサービス
代表格は「Gainsight」
代表的なものとしては、カスタマーサクセス関連ツールの元祖ともいえる「Gainsight」です。
アメリカでは2010年代前半にかけて、salesforceに続きSaaS企業が多数誕生しました。
Gainsightが出来たのも2012〜13年ごろであり、
SaaSでは契約期間が長くなる傾向にあるため、「契約の維持・拡大」が大きな課題になっていたことが背景にあります。
契約の維持は、例えば半年や1年の契約プランであればリードタイムも同じだけ(半年や1年)かかります。
1年かかる契約を追い続けるのはかなり大変な作業であり、
その間の顧客の状況がどうなっているのかを細かく管理したい、というニーズが生まれていたのです。
Gainsightのようなツールにおいては、
まずお客様の状況を可視化するためにデータを集め、お客様ごとの「点数」をつけ、
点数ごとに「赤」「青」「黄」といった信号機のように色付けした「ヘルススコア」を管理し、
ツール側から「赤信号になればこのタスクをしてください」といった内容の通知やアラートをカスタマーサクセス担当に送ることが可能です。
Gainsightは2022年に日本進出もしており、
日本の大手企業で最も導入されているヘルススコア関連ツールはGainsightだと考えています。
日本企業のツールも多数存在!
また、国内のヘルススコア関連ツールとしては「HiCustomer(HiCustomer社提供)」と
「Sucesshub(Commmune社提供)」が代表的であり、
これらはベンチャー企業のSaaS企業に使われていることが多いでしょう。
さらに、「CustomerCore(リンク社提供)」と「Pottos(ポトス社提供)」というツールもあります。
これらは、運営会社がSIerであるため、SaaSのベンチャー企業はもちろん、
どちらかというと中堅どころの会社様も多く使っている印象があります。
ツールその②:
「カスタマーサクセスのWebサイト構築」関連のサービス
”カスタマーサクセス専用Webサイト”を構築するサービス
弊社openpageもまさにこのジャンルであり、啓蒙していきたいカテゴリーですが、
一言で言えば「カスタマーサクセスの専用のWebサイトを作ることができる」ツールです。
カスタマーサクセスとして顧客への案内に際して、
特に「対応するお客様の数が多く、ハイタッチだと回らない」ケースにおいて、Webサイトの価値が大きいと考えています。
例えば建築業界向け・教育業界向けのSaaSでは、
ユーザーの方が全国に散らばってるので、ハイタッチをやりきれない、という物理的な制約もあります。
Webあるいはデジタルを活用して、コミュニケーションの接点を増やすために、
「カスタマーサクセスのWebサイト」が必要になるのです。
カスタマーサクセスのWebサイトがヘルプサイトと違うところとしては、
eラーニング的な要素をサイト内で構築・配信できたり、
ユーザー同士が情報交換・意見交換できる”コミュニティサイト”を作れることにあります。
また、お客様のカスタマーサクセス関連データのレポートも非常にリッチに作られているためお客様の状況を把握し、契約の維持・拡大に繋げていただきやすい、
ということがカスタマーサクセスのWebサイトの特徴と言えるでしょう。
まだ日本には本格的に進出していませんが、
Gainsight社はアメリカで「inSided」という製品をM&Aで買収し、カスタマーサクセスのWebサイトとして展開しているようです。
日本では弊社openpageが、創業当初からカスタマーサクセスのWebサイトを提供しており、
カスタマーサクセスに取り組む企業への導入においては先行していると考えています。
類似する製品では、「Commune」や「Coorum(Asobica社提供)」なども挙げられます。
これらはカスタマーサクセスだけでなくマーケティング目的で使われることも多いツールですが、
こういったツールのWebサイト構築システムも多くの機能が備わっています。
直近では、HiCustome社が二番目の製品である「Arch」をローンチされましたが、
よりオンボーディングに特化しているようですがサイト構築ができるツールであると言えるでしょう。
ツールその③:
「カスタマーサクセスのナビゲーション」ツール
サイト内にガイドを埋め込み”テックタッチツール”として利用可能!
ナビゲーションはSaaSのWebサイトや画面の中にナビゲーション(ガイド)を埋め込むことで、
お客様をうまくガイドできるような、テックタッチツールとしての位置付けです。
例えば、SaaSの画面を開いた時にガイドが表示され、
「このボタンを押してください」
「ここはXXを入力をするといいですよ」といったようにユーザーの操作を補助することができます。
こうしたツールは、「ユーザーがどこをクリックしたのか」等のクリック/入力のログもデータとして取得することで、サイト分析などもしやすいでしょう。
この領域で、アメリカも含め海外でぶっちぎりで先行してるのは「pendo」というツールです。
また「WalkMe」というツールも日本でも展開されており、実際に日本企業への導入事例もあるようです。
日本発の企業だと「テックタッチ」や、「Onboarding(STANDS社提供)」などが挙げられます。
テックタッチは、大手SaaS企業においてよく使われており、
一方Onboardingはベンチャー企業を中心に使われているイメージを持っています。
また、プレイドさんが「KARTE」というツールを提供されていますが、
KARTEもカスタマーサクセス領域で使える、とアピールをしており、
実際にカスタマーサクセス用途で導入されている事例も耳にしています。
このように、カスタマーサクセスのツールにはさまざまな種類があります。
ぜひ様々なツールを比較検討いただきたいなと思いますし、
カスタマーサクセスのWebサイト構築のツールをお探しでしたら、
ぜひopenpageのツールをご提案できればと思いますので、お気軽にお問合せください。