今回も、NE株式会社マーケティング統括部の甲斐 愛佳(かい まなか)様をゲストにお招きして、Openpage代表・藤島との対談形式でお送りします。
3本目は、現在非常に流行っている「CSOps」について。
「どんなものなのかイメージできない」という方も多いと思いますが、顧客の成功のために社内のCSメンバーを支援する非常にチャレンジングなポジションだそうです。
甲斐さんのお取り組みを参考に、自社でも取り入れてみてはいかがでしょうか。
(以下、敬称略)
これまでの記事
・【新時代】エンジニア考案のカスタマーサクセス成功法って?!
・【超ハイレベル】ヘルススコアはコツコツ集計している場合ではない!
非常に幅広いCSOpsの活動内容
藤島:
現在CSOps(カスタマーサクセスオペレーションズ)は現在非常に流行っていますが、
甲斐さんの会社ではカスタマーサクセスのOpsとしてはどのような活動をされていますか。
甲斐:
今事業の中で行っているOpsの業務は、データの分析や整備・可視化、
またそういったデータを使ってKPIの設定、カスタマーサクセスの運用を構築したりなど、
非常に幅広く活動しています。
藤島:
CSOpsをまだあまり「分からない」「知らない方」が多いと思いますが、「CSOps」をどう捉えていますか?
甲斐:
CSOpsは色んな意味付けや定義があります。
私としては「カスタマーサクセスのカスタマーサクセス」という言葉が一番しっくりきました。
藤島:
Gainsight CEOのニック・メータさんがお話しされていましたね。
「カスタマーサクセスの方々をサクセスさせる」というような意味合いですね。
甲斐:
CSOpsといっても、やっていることがたくさんあります。
他社でCSOpsをやっている方とお話ししていても本当に色々なものがあり、
データに関する整備・分析、社内での教育、つまり「イネーブルメント」と言われているメンバーの教育、オンボードから独り立ち。
あとは運用支援、部門間の連携をやりやすい形で整えていくこと、
コンテンツの作成、テックタッチ・ロータッチ、他にもツールを導入するなど、
「カスタマーサクセスの方の支援に関するものならすべてやる」というのがOpsの役割だと思います。
藤島:
私もとある有名SaaSベンダーの方と話をする中で面白かったのが、
「CSOpsチーム」というチームの中で得意分野が人それぞれある、ということです。
例えば、
「データ整備が得意な方」
「SFA(Sales Force Automationと呼ばれる営業支援システム)やツール導入が得意な方」
「テックタッチができる方」
「コンテンツを書くのが得意な方」
「育成の方」などですね。
このような方々を「Ops」としてひとまとめにしてカスタマーサクセスの方々に支援を行っている姿を最近よく見ています。
だからこそ「Ops」と言っても、結構バラバラだと感じます。
甲斐:
そうですね。
Opsとしてメンバーがたくさんいる会社さんは、それでも一つのチームの形になっていろんなことをされています。
一方でまだまだOpsのメンバーが少ない会社さんでは、「CSの中の一機能」として行われていることが多いですね。
CSOpsに必要なスキルとは?
藤島:
CSOpsをやる上で必要なスキルとは何でしょうか。
甲斐:
幅広いOpsの中でデータであればもちろんデータが見れること、
運用だったらプログラムができることは強みやスキルになってきます。
CS出身の方だとコンテンツ制作やイネーブルメント・育成という方向で活躍されてる方もいます。
藤島:
甲斐さんのようにエンジニア出身の方であればSQL(データベース言語)も書くことが出来るので、
データレポートを作る、SFA設定をする、もしくはSFAではなくヘルススコアのツール導入でヘルススコア設計をする等でも活躍している印象です。
一方で育成系・研修系の方はハイタッチをやっていて、体系的に物事を整理して育てるのが得意、マネジメントが得意というイメージがあり、
そういう方がOpsの中でもイネーブルメントのような領域で活躍している印象です。
甲斐:
CS出身のOpsもエンジニア出身のOpsにも両方に共通して言えることは、
「カスタマーサクセスのカスタマーサクセス」をする仕事なので、社内のメンバーがCSの対象になります。
そのため「社内のメンバーの成功を一番に支援することをちゃんと考えられるか」ということが一番大事になってくるでしょう。
藤島:
あくまで「カスタマーサクセスの業務があり、それを支援する」という仕事ですよね。
業務理解やその業務をどういう風にやるともっと良くできるか、ということを考えていくのがOpsの仕事の一つだと思います。
そこに対してちゃんと理解をしよう、というマインドも非常に大事になってきますね。
甲斐:
Opsはやはり裏方の仕事になるので、
どんなに頑張っていいデータを出そうとも、いいオペレーションを作ろうとも、
あるいはいい育成をしようとも、それがお客さんに「アクションとして届かなければ、1つも価値がない」ということになってしまいます。
「ちゃんと自分たちが支援したことがお客さんのカスタマーサクセスに繋がっているか」
という部分まで責任を持てるのかがとても大事だと思います。
CSOpsの役割は「顧客とメンバーの成功を一番に考えて支援する」こと
藤島:
甲斐さんが考える「Opsの役割」とは何ですか。
甲斐:
「カスタマーサクセスのカスタマーサクセス」として顧客の成功、社内のカスタマーサクセスに携わるメンバーの成功を一番に考えられるポジションでいることが大事になります。
支援の方法は何でもいいですが、会社や事業によって「今一番重要な事」は変わってきます。
広く色々な支援がある中で、「今、これが大事だ」というところを見極めてその支援をしていくこと、
データで体系的に考えられていなければ補助していき、なかなかメンバーの育成が振るわなければそういったところを整えていくということが重要になります。
藤島:
色々ある職種の中でも経営企画職や営業企画職に近しいと感じます。
企画職のポジションとは定常業務としてデータ計測や経営のモニタリングをしつつ、
プロジェクトワークで生産性を高めるためのプロジェクトを、優先度が高い順番で行っています。
Opsもそれに近しい形で、基本はカスタマーサクセスのデータや業務プロセスなどの支援をしつつ、プラスで優先度の高いプロジェクトをOpsの中でも考えていると思います。
それを最終的には「お客様の成功」に還元しないといけないので、
今の現場にいるカスタマーサクセスのチームの皆さんとOpsとして協力しながら、
結果的に全体としてカスタマーサクセスがうまく行く仕組み作りをしていく、という印象です。