カスタマーサクセスの業務経験が浅い場合、辛い仕事であると捉えられることがあります。カスタマーサクセスの仕事が辛いと感じる理由やポイント、カスタマーサクセスの辛さを克服するための方法を解説します。
カスタマーサクセスと調べると、辛いというキーワードが目につく場合がありますが、カスタマーサクセスは辛い業務なのでしょうか。カスタマーサクセスを辛いと感じてしまう理由やポイントから、カスタマーサクセスの辛さを克服する方法を考えていきましょう。また、カスタマーサクセスという仕事自体が辛いものではないということも解説します。
カスタマーサクセスは辛い仕事なのか?
カスタマーサクセスとは、顧客に製品の活用を促し、お客様に成功していただくための仕事です。
ただ、そもそも製品を使っていない顧客に対して、この製品を使ってくださいとお願いするのはなかなか至難の技です。
お客様の中には、「なぜ製品を使わないといけないのか」とときに反発されたり、クレームに繋がることもあります。
カスタマーサクセスは顧客体験の中心となるような、とても重要な仕事ではあるものの、お客様に反発されてしまうと辛いと感じてしまうこともあります。
このような難しい側面からカスタマーサクセスを辛いと感じてしまうのかもしれません。
カスタマーサクセスを辛いと感じてしまう理由
具体的にカスタマーサクセスを辛いと感じてしまう理由やポイントについて解説します。
カスタマーサクセスが辛い理由1:責任が大きすぎる
お客さんの窓口が自分しかいない状態になりますので、カスタマーサクセス担当である自分が全部責任を背負わないといけないこともあります。
何かトラブルがあっても自分が解決しないといけない立場になることは、すごく大変です。
お客様が経営者だったり役職者だったり、年齢が年上のときもありますし、自分よりも専門性が高いときもあります。
それでも、そういった目上のお客様に対して、自分が責任を持って製品の解説をし、お客様の成功に向き合わないといけません。その責任が重く、大変に感じてしまうのです。
カスタマーサクセスが辛い理由2:顧客と良い関係を築けていない
カスタマーサクセスは、ときに関係が悪いお客様ともコミュニケーションを取る必要もあります。お客様と良い関係を築けていない場合は、コミュニケーションをとるのがなかなかつらく、お客様と話すのが億劫に感じることもあります。
苦手な相手とのコミュニケーションが必須になってしまうカスタマーサクセスは、つらいと感じてしまいます。
カスタマーサクセスが辛い理由3:同じ説明を何度もしている
カスタマーサクセスは、特定の製品の活用をお客様に促すための仕事です。
カスタマーサクセスをしていく上では、お客様に基本的な機能の設定や、同じような説明を何度も何度も繰り返さないといけないときがあります。
お客様に対して、本当は課題解決のコンサルテーションの提案をしたいのに、いつまでも基本的な案内ばかりを何度も何度も繰り返していると、自分のキャリアはこれで大丈夫なのかなという思いから不安や辛さを感じてしまうこともあるでしょう。
カスタマーサクセスが辛い理由4:業務量が多い
カスタマーサクセスの仕事は、お客様の製品活用のための設定の支援、まだ利用していないお客様へのご案内、新機能のリリースやイベントがあった際の顧客連絡、何か問い合わせやクレームがあったときの緊急対応、オプション製品の販売など、様々な業務が発生します。
1人当たり数十社のお客様と同時にコミュニケーションを取る仕事ですので、どうしても業務の量が多くなり、残業が増えてしまい辛さにつながる部分もあるでしょう。
カスタマーサクセスが辛い理由5:上司が理解してくれない
上司の方がカスタマーサクセスについてまだ深く理解していないこともあります。
世の中に、カスタマーサクセスの業務経験者がまだまだ少ない状況ですので、自分の仕事内容が会社や上司に理解がされているのかなと不安になることがあります。
カスタマーサクセスが辛い理由6:製品以上の提案はできない
カスタマーサクセスを行っていると、お客様の悩みや課題についていろいろヒアリングする機会もあります。
しかし、自分が携わる製品以上のことは、なかなか提案をすることができません。
コンサルティングのサービスではなく、あくまでSaaSの製品の提案サポートですので、製品以上のことは提案ができないことに悩みがちです。
カスタマーサクセスが辛い理由7:ノウハウが身に付かない
カスタマーサクセスの経験者が少なく、上司には理解されず、製品以上の提案はできない。
その上で、業務の量も多いということで、なかなか仕事のノウハウが身につかないのではないかと自身のキャリアに悩むこともあります。
うまくいかないことや自分のスキルアップを感じられないことで辛いと感じてしまう部分もあるかもしれません。
カスタマーサクセスが辛い理由8:クレーム対応
お客様への支援の中で、何かトラブルが発生した際にクレームになる可能性もあります。
お客様に怒られてしまい、ひどく心が傷つくことも時にはあります。
クレームはストレスにもなり気分が良いものではありませんし、クレーム自体に辛さを感じる部分もあるでしょう。
カスタマーサクセスが辛い理由9:時間が足りない
カスタマーサクセスの業務はとにかく幅が広いです。
そのため、お客様一社一社に対し、真剣に向き合おうと思ってもなかなか時間が足りず、十分な提案ができないことも多くあります。
お客様のことを考える時間も、自分のキャリアについて考える時間も足りない、ということに辛いと感じることもあります。
「カスタマーサクセスが辛い」を克服するには
カスタマーサクセスが辛いという状況を変えるには、まず自分が変わらなければなりません。
カスタマーサクセスとして高い視座を持ち、自分自身を成長させ、物事の見方を変えることで、辛いと感じる気持ちを克服していきましょう。
カスタマーサクセスとして成長し、辛さを克服できるためのコツを紹介します。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服1:専門家になる
自分自身がカスタマーサクセスとしての専門家を目指す。
もしくは今携わっている製品の領域に関して専門家になるのはいかがでしょうか。
そうすることで、お客様への提案に自信がつき、かつ、自分のキャリアの向上のヒントになるでしょう。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服2:コーチングを身につける
カスタマーサクセスは、対顧客に対するコミュニケーション力を磨く良い機会になります。
お客様とコミュニケーションを取る上で身につけたいコミュニケーションの一つはコーチングです。
コーチングとは、相手に対して、傾聴や質問をしながら望む方向へ向かうようコミュニケーションをとるノウハウです。
コーチングを身につけることができれば、カスタマーサクセスに限らず、第三者への提案が上手になります。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服3:テックタッチで効率化
お客様に何度も何度も同じことを繰り返し説明する場合、その内容をテックタッチで自動化するのも効果的です。
テックタッチとはWeb上のデジタルの画面で、製品の操作や活用について案内することです。
テックタッチでカスタマーサクセスが実現できるようになれば、同じ内容の説明を何度も行い、疲弊するということは減らすことができます。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服4:ツール導入を進める
カスタマーサクセスの生産性を高めるため、ITツールの導入を進めてみてはいかがでしょうか。
カスタマーサクセスの生産性を高めるツールには様々なものがあります。
お客様の状況を可視化するヘルススコアツールや、お客様の案内を自動化するテックタッチツールなどです。
ツール導入を進めることが、無事できれば、お客様に対するカスタマーサクセスの負担が減り、その時間を活用して、よりお客様に深ぼった提案や、自身のキャリア開発に時間を使うことができます。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服5:カスタマーサクセスの社内勉強会を行う
まだまだ会社の中でのカスタマーサクセスの理解が浅いと感じていらっしゃるのであれば、社内でカスタマーサクセスの勉強会を行うことが効果的です。
カスタマーサクセスは、顧客を起点に経営やビジネスを考える新しい概念であり、経営層の方や上司の方にもすんなり理解がしやすい考え方でしょう。
カスタマーサクセスの勉強会を推進することで、会社のカスタマーサクセスへの理解や捉え方が変わり、カスタマーサクセスが応援される部門や取り組みになることは間違いありません。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服6:カテゴリ領域のセミナーを実施
自身の専門性を磨くためには、思い切って自分が取り扱う製品に関連するカテゴリーのセミナーをお客様向けに実施してみるのも良いかもしれません。
例えば、HRのツールであれば人事の最新領域、不動産のツールであれば不動産の先進的なIT活用などです。
自身が扱う製品のカテゴリに対して、最新の潮流や専門内容を学ぶことができるセミナーを実施することができれば、お客様への提案の幅は広がり、自身のキャリアにも自信をつけることができます。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服7:他社のCSと情報交換
カスタマーサクセスのつらさを克服するには、他社のカスタマーサクセスがどのような工夫を行っているのか、情報交換することも効果的です。
自分の悩みを共有したり、自分の悩みに対して、他の方がどのように対処しているのか、情報交換をすることによって、今抱えてる悩みや問題の克服方法の気づきを得ることができるかもしれません。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服8:リラックス方法を身につける
苦手なお客様とのコミュニケーションや、お客様の突然のクレームなどの、カスタマーサクセスの辛い体験はときに避けることができないものです。
そのため、辛さを避けるのではなく、辛さをリフレッシュするためのリラックスの方法を身につけることも重要です。
趣味に没頭したり、温泉に行ったり、スポーツをするなど、ストレスを発散するための方法を身につけましょう。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服9:チームに相談する
カスタマーサクセスの仕事で辛いときは、自分1人で抱えるのではなく、チームに相談することも重要です。
チームに相談をしてみると、同じように辛い思いを経験した人がいて、親身に相談にのってくれることもあるでしょう。
また、自分が辛いと思っていたことは、実は他の人から見ると、それほど大したことはなく、自分の思い過ごしだったということもあります。
全てをひとりで抱えるのではなく、他の人にも相談してみましょう。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服10:テンプレートの活用
カスタマーサクセスの業務は、同時に複数人に対してコミュニケーションをとるため、1人1人に丁寧な提案をするということは、残念ながら難しいことが時にはあります。
そのため、お客様に提案する際にいくつかのテンプレートを用意して、すぐに提案ができる準備をしておくと良いでしょう。
メールのテンプレートや資料のテンプレートなどを下準備していくことで、お客様に役に立つような内容をすぐに提案することが可能になります。
「カスタマーサクセスが辛い」の克服11:顧客の人となりを知る
カスタマーサクセスをしていると、苦手なお客様と交流する機会も出てきます。
しかし、苦手だと思っていたお客様が、実は素敵な一面があったり、好きになれるような側面があることもあります。
思い切って、お客様の趣味について、もしくは好きなことについて聞いてみるのも良いかもしれません。
意外にも、同じ趣味を持っていたり、似たような価値観を持っていたりして、お客様と仲良くなることができるきっかけが作れるかもしれません。
カスタマーサクセスが辛いから辞めるは勿体ない
カスタマーサクセスは、工夫次第では、専門性を身につけたり、コーチングのようなコミュニケーションスキルを身につけたり、また、対人関係を良くするための方法を身につけるような、仕事だけでなく人間力を磨くキャリアにもなります。
仕事でプロフェッショナルを目指すということは、何かしら辛いことも時にはあるでしょう。
カスタマーサクセスの仕事も同様につらいと感じることはあります。
しかし、その辛さを工夫しながら克服することで最高のキャリアを築くことができます。
カスタマーサクセスが辛いから辞める、は勿体ないのでカスタマーサクセスを辛いと感じる原因を解決していきましょう。