【ぶっちゃけ】カスタマーサクセスに向いている人の特徴!

  • 公開日:2024年6月29日(土)

 

株式会社ユーザベース INITIAL事業にて
CCOを務めていらっしゃる大沢 遼平さんにお越しいただき、
openpage代表・藤島との対談形式でお送りします。

今回は、CCO目線で見た「カスタマーサクセスに向いている人」について、
採用基準や育成プログラムにも触れながら、大沢さんのご経験をもとに解説いただいています。
(以下、敬称略)

カスタマーサクセスの採用基準

藤島:
本日もゲスト回ということで、株式会社ユーザベース、INITIAL事業CCOの大沢さんに来ていただきました。

大沢:
よろしくお願いします。

藤島:
CCOというのは、カスタマーサクセス組織ではトップだと思いますので、
CCO的な目線で見たカスタマーサクセスの組織を、色々な観点で伺いたいと思います。

採用から育成、マネジメントまで全部携わっていらっしゃいますよね。
大沢さんが組織作りをするときに、どのような人を採用しているのか、
あるいは、人の見極めにおいて大事にしているポイントはありますか。

大沢:
大前提としてですが、カスタマーサクセスに限らず、
私どもの事業やユーザベースという会社にフィットする「マインド」を持っていないと、なかなか厳しいと思います。

これは相性の問題なので「良い・悪い」ではないと思っています。
つまり、当社に会えばOK、合わなかったらほかの会社の方が良いのでは、という話です。

2つ目は、INITIAL事業というものに対して「この市場が面白い」と思える方かどうかです。
ここも相性に近いですが、これは努力次第で「この事業好きかも」と思える人はいますので、
最初から持っていなくても大丈夫ですが、選考の過程でそれが見える人が良いでしょう。

では、CSにとって大事な能力は何か、という点であれば、
「ロジカルにお客様と一緒に話せる」「お客様と話していて苦ではない」ことが一番大事です。
逆に言うと、スキルセットはそこまで求めていません。スキルは個性なので、あったらいいよね、という感じです。

藤島:
一番最初の、そもそも自分の会社に合うか、事業に合うかというのは確かに大前提であると思います。
直近、「未経験からCSになるにはどうすれば良いか?」という相談をいただくことがたまにあります。

未経験の方にとっては、応募する企業のSaaS事業の関連する職域・領域の経験があるかどうか、は重要です。

例えば、看護師からSaaSのCSになる、というケースもたまにあるのです。
医療系のツールのCS、介護系ツールのCS等であれば、看護師の方がこれまで経験してきたスキル、考え方がある程度活きるのではないかと思います。
とはいえ、CS未経験の看護師の方が、どんな企業のCSにでもなれる、というわけではなく、正直に言えば、ユーザーベースのCSやマーケティングツールのCSは厳しいのではないでしょうか。

カスタマーサクセスの育成とスキルセット

藤島:
さらに、先ほどの大沢さんの二つ目、「CSとして、人と話すのが苦ではない」ことはCSとしての重要なポイントとしてあると思います。
誰よりも一番顧客と長く時間を過ごし、コミュニケーションを取っていく立場ですので、
そもそも事業が扱っている領域に興味がある、あるいは好きであり、
その事業をいいと思って投資/取引いただいてるお客様に対しても、好きあるいはその人とずっと話していたい、と思える人のほうが、CSとしての相性は良いでしょう。

採用面談において、こうしたパーソナリティを見極めるための質問をされていますか。

大沢:
シンプルに・ストレートに聞くことが多いです。
例えば、「実際にこういうことを業務としてやるんだけど、明日行ってみようとなったときに、動けますか」と聞いて、
「うーん、どうですかね」という返事であれば、なぜそう思うのかを深掘っていきます。

返事が期待したものでない=アウト、ではなく、
返答に対してまずフラットに・ストレートに聞いてしまうのが一番早いと思っています。

そのうえで、「分からないです、答えられないです」ということであれば、面接というより、そこから先はコーチングに近いですが、
「何がそうさせているのか?」「どういうことがあったら答えられそうか?」と深掘りをしています。

彼/彼女たちの懸念やハードルが、私たちの努力で取り除ける要素であればクリアですし、少しそれより手前の部分で、例えばプライドがあったり、 何か過去の経験がそうさせている部分があって、
それが私たちでは取り除けないものであれば「少し違うかも」という話もストレートに伝えます。

藤島:
私自身も、ひとえに「CSの採用」と言っても、会社によって異なると思っています。

例えば、ユーザベースさんであれば、SPEEDAやINITIAL事業等、ファイナンス・M&Aの専門家に向けたプロダクトを多く扱っていらっしゃると思います。
そうすると、こうした分野の専門家の方と話すことになるので、いきなり未経験では結構きついはずです。

ファイナンスやM&Aの領域はそんなに強いわけではないので、ユーザベースさんには転職できない気がします。(笑)

私自身、よく採用の相談をいただくこともありますが、
CS経験者というよりは「事業カテゴリーの経験者」を採用することが、
どの会社も最終的な着地としてきれいだと感じています。「育成」はなかなかできないですよね

例えば、M&Aや事業投資のことを全く知らない人に、それを説明するところから入るとなかなかきついところがあると思うのです。

大沢:
そうですね。
ただ、補足的に説明しておくと、採用時のスキルセットは「最悪、無くてもいい」と思っています。

スキルや経験がなくとも、M&Aやファイナンスについて強烈な興味があり、
「今から絶対キャッチアップするんで、そこは任せてください」という気概が見えれば、それはそれでOKだね、と判断されると思います。

このスタンスは、「こういった気概がある方をきちんと育てられるチーム体制になっているかどうか」でも結構変わると思っていますし、当社でも部署によって姿勢は違うと思います。

例えば、どこかのスタートアップを受けて落ちたときに「私は駄目だったのか」と思う人もいるかもしれませんが、ほとんどマッチングの問題だと思っています。

採用する会社にも責任があると思っているのです。
それを理解してあげれば、採用候補者も、スタートアップも少し気が楽なのではないかと思います。

スタートアップは育てるリソースが無かった、
採用候補者は求められる能力が無かったから、
今回は成り立たなかったけど、タイミングが違えば、採用されるかもしれない、という意味では、採用は「マッチング」の世界だと思います。

藤島:
確かにそうですね。
CSの組織を作るという観点だと、育成できる幅が広ければ広いほど、
それだけ採用できるポテンシャルのある方々の人数が増えるので、育成制度等は非常に重要ですよね。
大沢さんも育成に関わっているのでしょうか。

大沢:
はい。
カスタマーサクセスのスキルセットや前提知識として必要なことは、
体力(スタートアップとして、最近のトレンドが何かということをキャッチアップし続けられるかという意味での体力)と、
あとはお客様に対峙するためのコミュニケーション能力です。

育成の観点では、入社後最初の1ヶ月半ぐらいでブートキャンプ的にやります。
そのプログラムを組んであるので、ここに乗っかってもらえれば、
1ヶ月半ぐらいで外に出られるぐらいの状態は作れています。
仕組み化するというのはすごく大事ですね。

藤島:
私もこういった仕組み作りは非常に大事だと思います。
カスタマーサクセスの採用で苦戦している会社は、特に業界・専門に特化している会社だと思います。

例えば、不動産に特化したサービスや医療現場に特化したサービスはマーケットが大きいのでユーザーが多い、
一方で採用する側としては、不動産のキャリア×SaaSベンチャー経験者という方はぐっと減りますし、加えてCSも経験している人、となるともっと減るでしょう。

カスタマーサクセスの育成プログラム、どう作る?

藤島:
この意味では、「未経験の方でもある程度育てられるかどうか」は、CS組織を大きくする上での鍵の一つだと私は思います。
ちなみに、その育成カリキュラムはどのように作ったのですか。

大沢:
例えばセールスであれば、採用してからきちんと結果を出すまでのタイムラインが、短ければ短いほど事業として良いはずです。

「入社してから2ヶ月後にはもう結果を出している」という人をどんどん採用できれば一番良いのですが、放っておいてもできるものではありません。

そのため、まずはセールスの育成プログラムを先に作りました。
セールスのプログラムは、セールストークができる、スタートアップの知識を聞かれてもそれに対して答えることができる状態を作ることが大事です。

藤島:
製品の専門性をきちんと獲得できること、
扱っているカテゴリーの専門分野を育成するということは、初期フェーズでは特に重要ですね。

私も前職のビズリーチで研修プログラムを作っていましたが、
採用やHRの領域は未経験の人も多かったので、そもそもビズリーチは何ができるのか、採用やHRとは何か、という研修からスタートしていました。

ある程度育成カリキュラムを作って、
そこからのオンボーディングのスピードはなるべく早い方が良い、今おっしゃっていましたが、
オンボーディングのスピードを早めるための、現場での工夫や施策は何かありますか。

大沢:
これも結構一般的ですが、「何事においてもPDCAを回すこと」がすごく大事です。
ですから、スパンをあけずにプログラムの中でどんどん「これをクリアしましょう」という目標を作れることが大事です。

藤島:
「これをやっていきましょう」、「クリア」みたいな。それを何回もやりながら、少しずつ独り立ちするということですね。
大沢さん、ありがとうございました。

大沢:
ありがとうございました。

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