【面白い!】ジブリの戦略から学ぶカスタマーサクセス!

  • 公開日:2022年10月30日(日)

 

 

スタジオジブリの作品を観たことがある方も多いと思います。
「となりのトトロ」や「ハウルの動く城」「千と千尋の神隠し」など、
代表作を「何回も見た」という方が多いのではないでしょうか。

今回は「ジブリとカスタマーサクセス」という意外な組み合わせのテーマです。

ジブリ作品をリピートして観てしまうのはなぜ!?

スタジオジブリの作品はなぜ何回も見てしまうのでしょうか?
実は、この何回も見るという「リピート性」と「カスタマーサクセス」にはかなり深い繋がりがあります。

つまり「なぜジブリの作品がリピートされているのか」を分析すると、
カスタマーサクセス的な発想や施策に繋げることができます。

ジブリ作品をリピートしてしまうのは「情報量」のせい

「なぜ同じジブリ作品を何回も見てしまうんだろう?」ということを分析した方が実際にいらっしゃいます。
株式会社ドワンゴ・会長の川上 量生さんです。

彼が「なぜジブリは長く愛されるのか?」という点を、
実際にスタジオジブリに修行しに行って、その内容を本(※)として書かれています。
※川上 量生『コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと(NHK出版新書)』

本の中でキーワードは「情報量」であると述べられています。
鈴木敏夫さんというスタジオジブリでは有名なプロデューサーさんがいらっしゃいますが、
彼の台詞の中に、まさにカスタマーサクセスに繋がるヒントがあります。

その台詞は、ジブリ作品はどれも、映画としては「情報量」が非常に多いという言葉です。
ジブリ作品はそもそも「1回見ただけじゃ理解できない」ものになっているというのです。

「1回目見たときに楽しめる部分」もありながら、
「まだわからないところ」があるので、人によっては何度も映画館に観に行ったりするし、
何回もテレビで再放送されても、視聴率が下がらない、ということをおっしゃっているんです。

その意味では、「何回見ても違う情報があって、なかなか奥深くて飽きない」という点に、
ジブリ作品のリピート性のポイントがあると言えます。

ジブリ作品はどれも深い「世界観」を持っていますよね。
例えば「千と千尋の神隠し」では実在する街や建築の催しが一部取り入れられており、
「このシーンはこの場所かな?」といった分析もすることができます。

だからこそ、ジブリ作品は何度も何度も観てしまうのです。

宮崎駿さんご自身も「情報量が多い」方である

アニメーションや絵についても、背景や人々の表情が非常に細かく描き込んでありますし、
キャラクター設定も、映画では書かれてないような裏の細かい出来事や背景も全て設定されていると言います。

つまり、台本・演出や音の使い方・歴史観等、ジブリの作品にはとにかく「たくさんの情報量」があるのです。

そもそも、スタジオジブリ監督の宮崎駿さんご自身も、情報量が多すぎる方なのではないでしょうか。
インタビューを見ていただけるとわかりますが、とにかくめちゃくちゃ喋る方なのです。

早口で喋るというわけではなくて、色々な情報がポンポンと出てきて、
宮崎さんご自身のお人柄も含めてすごくよくわかります。

ジブリだけじゃない「情報量の多い」作品とは?

ちなみに40年ほど前の話ですが、
ジブリ作品の「風の谷のナウシカ」と、当時大きな話題となっていた「マクロス(「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」)」の劇場版が初めて公開されたのは同じ時期(1984年)でした。

しかしながら、今ナウシカとマクロスのどちらがよく観られてるかというと、やはりナウシカの方ではないでしょうか。
これはやはりナウシカの作品に「飽き」が来ないからではないかと考えています。

ジブリから外れますが、ガンダムの監督の富野由悠季さんという方がいらっしゃいます。
ガンダムも、劇場版やアニメ放送が開始されたタイミングと、
ジブリ作品である「ルパン三世 カリオストロの城」の公開のタイミングも実は被っています。

ただ、この2つを比べるとおそらくガンダムの方が圧倒的に人気なのではないでしょうか。
これは、ルパンの作品がガンダムにリピート負けしている、つまり「情報量負け」しているのではないかと考えられます。

ガンダムも非常に情報量が多い作品ですが、わかりやすくて面白いですよね。
わかりやすいけど奥深い、というガンダムとしての「ブランド」自体の情報量が多い点が、ガンダムの人気の秘訣になっているかなと分析しています。

最近だと新海誠さんの「君の名は」も同じなのではないでしょうか。
「君の名は」は、アニメーションの背景も非常に綺麗で、
「人間の目で見えないような美しい風景」の描写をされていて、
背景描写は肉眼で見るよりも情報量が多いくらいの描き込みがあるので、ただ観ているだけでも楽しい作品ですよね。

ジブリ作品をカスタマーサクセスの観点で捉える

カスタマーサクセスも「情報量」が重要

ジブリ作品の情報量の多さについて解説してきましたが、
カスタマーサクセスの観点で捉えると、カスタマーサクセス自体、お客様に対しての「情報の引き出し」をとにかくたくさん持つべきと言えます。

つまり、製品のことや自社のブランドに関する「お役立ち情報の奥深さ」が重要なのです。
これらの情報が仮に薄っぺらいと、お客様にとっては1回聞いたら飽きてしまいます。

カスタマーサクセスとして、理論に基づいた体系的なノウハウやリサーチデータなど、
「深い示唆に基づいた提案」をしていくと、お客様から「この人ってプロなんだ!」と思ってもらえるでしょう。

そして、お客様としてもこういう「プロ」に何度も話しに行こうと思うはずです。

こういった動きができる方は、
お客様にとって「そんなことも提案してくれるんだ」「こういうこともできるんだ」という新たな気づきや発見を与えることもできますし、
「人としての懐が大きい」とも感じてもらえるでしょう。

そうすると、お客様に「この人についていこう」と思ってもらえるので、
マインド的なもの、あるいは情報的なもの、その両側面が、カスタマーサクセスとして活躍する上では重要です。

カスタマーサクセスは「オタク」になるべし!

以上を踏まえて、カスタマーサクセスは「オタク」になるべし!と言わせていただきます。
スタジオジブリの宮崎駿さんも、基本的にはかなり「オタク」な方です。

そもそも「ジブリ」という名前の由来については、第二次世界大戦時のイタリアの軍事用偵察機に「ジブリ」という名前が付けられているそうです。
宮崎駿さんはミリタリーマニアという側面もあり、その言葉の響きがよかったから名付けたと言われています。

ジブリオタクの方とお話をすると、色々なウンチクを語ってもらったり、裏話がたくさん出てくることも多いですよね。
彼らもその裏話を知るために、何度もジブリ作品を観て、リピートしているはずです。

その意味で、カスタマーサクセスは自社製品をリピートしてもらうための活動なので、
「自分のお客様に知ってほしいちょっとマニアックな情報」や「オタク的な裏話」を、
日々のコミュニケーションの中で盛り込んでいくことが重要です。

オタク好みな情報を散りばめていくと、自社のブランドや製品について
「あ、この会社ってすごくよく考えてるんだな」
「背景にすごく奥深いものがあるんだな」
「何度もこの会社について話を聞いてみたいな」
という風に思ってもらえるでしょう。

カスタマーサクセス活動を通して、
お客様に提供する情報をよりどんどん深めていく活動が必要になると考えています。

まとめ

今回は「スタジオジブリ作品とカスタマーサクセス」という一見すると全く関連性がなさそうなテーマをご紹介しました。

スタジオジブリ作品が多くの方に「何回も」観られているのは、
ジブリ作品それぞれが持つ「情報量の多さ」にポイントがあることをご説明しました。

ジブリ作品では目に見えるアニメーション・絵や台詞だけでなく、キャラクターごとの世界観や背景など、
目に見えない部分も細かく設定されており、それこそが、私たちが何度も作品を観て、
キャラクターに想いを馳せたり、込められたメッセージの意味を考えるきっかけを与えてくれるのです。

カスタマーサクセスの活動も同じで、お客様に自社の製品を、日々の業務の中で繰り返し使っていただく必要があり、
そのためにはお客様に対しての「情報量」が重要になります。

「自分のお客様に知ってほしいちょっとマニアックな情報」や「オタク的な裏話」をインプットしながら、日々のお客様とのコミュニケーションの中で盛り込んでいくと、
お客様から「この人ならついていきたいかも!」と思えるカスタマーサクセスになれるでしょう。

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