はじめに
セールスイネーブルメントと営業企画は、どちらも営業組織の効率化とパフォーマンス向上を目指す点では共通していますが、その役割には微妙な違いがあります。本記事では、両者の違いを明確にし、日本企業におけるこれらの役割の位置づけについても考察します。
この記事を読むことで、貴社の営業組織におけるセールスイネーブルメントと営業企画の在り方を見直すヒントが得られるでしょう。
営業企画の歴史と役割
営業企画は比較的古くから存在する役割で、1970〜1990年代から多くの企業で設置されてきました。営業戦略の立案、販売促進施策の企画、営業ツールの作成など、営業活動を支える様々な業務を担ってきた営業企画は、まさに営業組織の縁の下の力持ち的な存在だったのです。
2000年代にSFA(営業支援システム)が普及すると、営業のダッシュボードやシステム導入なども営業企画の業務範囲に加わりました。営業におけるデジタル化の初期段階では、営業企画がその中心的な役割を果たしていました。
セールスイネーブルメントの登場
一方、セールスイネーブルメントという概念が生まれたのは2010年代のこと。米国でSFAが普及し、BtoBの営業マーケティングにおけるリサーチャーが言い始めたことがきっかけでした。
セールステックを活用し、デジタルツールによる営業データを伸ばしていく営みやノウハウがセールスイネーブルメントと呼ばれるようになったのです。SFAと連携する様々なツールを組み合わせ、営業プロセスの整備や研修、ドキュメント整備など包括的に行うことで、データドリブンな営業組織を作ることがセールスイネーブルメントの目的です。
日本企業におけるセールスイネーブルメントと営業企画
日本企業では、セールスイネーブルメントは営業企画の一部として捉えられることが多いのが現状です。しかし、セールスイネーブルメントが生まれた背景を考えると、よりセールステックを活用した具体的なノウハウに基づいて営業支援を行うところに特徴があります。
そのため、営業企画部門の中にセールスイネーブルメントのチームを設置したり、営業企画自体をデジタルドリブンな組織に変革しようとしてセールスイネーブルメントと呼んだりするケースも見られます。従来の営業企画の役割に、デジタル領域での専門性を加えた新しい組織体制を模索する動きが出てきているのです。
セールスイネーブルメントについてさらに学びたい方へ
セールスイネーブルメントについては、筆者の著書『セールスイネーブルメント完全読本』に詳しく記載されています。基礎知識から導入ステップ、運用のコツまで、実践的な内容が盛りだくさんです。
また、openpageはセールスイネーブルメントを推進するベンダーの一つで、デジタルセールスルーム(DSR)と呼ばれる営業提案のためのデジタルツールを提供しています。製品資料には、セールスイネーブルメントを成功させるためのヒントが満載です。ご興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
openpageの資料ダウンロードはこちら
おわりに
セールスイネーブルメントと営業企画は、営業組織の生産性向上という共通の目的を持ちながらも、微妙に異なる役割を担っています。特に、セールスイネーブルメントはデジタル領域での専門性を武器に、営業のデジタル化を推進する役割として注目されています。
日本企業においても、セールスイネーブルメントの考え方を取り入れ、営業企画部門をデータドリブンな組織へと進化させる動きが出てきました。営業におけるデジタル化の波は避けられません。セールスイネーブルメントと営業企画の両輪で、営業組織の変革を推進していくことが求められるでしょう。
貴社の営業組織にとって、セールスイネーブルメントと営業企画をどのように位置づけ、どのように連携させていくべきか。本記事が、その議論のきっかけになれば幸いです。
openpageの資料ダウンロードはこちら