セールスイネーブルメントとは?データに基づく営業力強化への革新的アプローチ

  • 公開日:2024年12月19日(木)

セールスイネーブルメントという言葉を耳にする機会が増えてきました。しかし、その意味や定義について十分に理解している方は多くないのではないでしょうか。本記事では、セールスイネーブルメントの本質について解説していきます。

セールスイネーブルメントの背景とテクノロジーとの関係

セールスイネーブルメントという概念が生まれたのは、2010年代に入ってからのことです。きっかけは、2000年代にSalesforce社のSFAを中心としたクラウドツールの普及により、営業活動をデジタルデータで分析できるようになったことにあります。

SFAの登場で、受注率や商談の進捗状況、リードタイムなどを計測できるようになり、それらのデータを元に合理的かつ体系的な営業活動の改善を行うことが可能になりました。これこそがセールスイネーブルメントの本質なのです。

単なる営業研修とは異なり、セールスイネーブルメントはSFAなどのツールで得られるデータを活用し、そのデータを改善するためのアクションに主眼を置いています。

SFAの先にあるセールスイネーブルメントの未来

現在、日本で広まりつつあるセールスイネーブルメントは、SFAを軸としたアプローチが主流です。しかし、米国ではSFA以外にも多種多様なセールステックが存在しており、それらを活用した新しい手法が次々と生み出されています。

  • 商談分析ツールのGong
  • セールスコンテンツ管理ツールのHighspot
  • インテントデータツールのZoomInfo

など、ツールによって扱うデータの種類は異なり、改善のためのPDCAサイクルの回し方も変化します。複数のツールを組み合わせるケースも増えてきています。

セールスイネーブルメントの推進者は、SFAの運用に加え、その他の主要なセールステックについても理解を深め、自社の営業組織のデジタル化とデータ活用に取り組んでいく必要があるでしょう。

まとめ

セールスイネーブルメントとは、セールステクノロジーを活用した組織的な営業力強化の取り組みです。単なるツール導入ではなく、データに基づく継続的な改善サイクルを確立することで、持続的な営業力の向上を目指します。

SFAが現在の中心的ツールですが、今後は多様なセールステックを活用した革新的なアプローチが生まれてくるでしょう。自社に適した手法を選択し、セールスイネーブルメントの本質を追求していくことが、これからの営業組織に求められています。

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第1章 セールスイネーブルメントとは?意味と定義

▼STORY - 営業の未来を変える鍵 - セールスイネーブルメント革命の幕開け

藤島誓也は、大手製造業の本社オフィスに到着した。今日は営業企画部長の鈴木と、セールスイネーブルメントについて意見交換する予定だ。

会議室に通された藤島を、鈴木部長が笑顔で出迎えた。 「藤島さん、今日はお時間いただきありがとうございます。当社でもセールスイネーブルメントへの関心が高まっているんです。導入を検討したいと思っているのですが、なかなか社内の理解が得られなくて。」

藤島は真剣な表情で頷いた。 「セールスイネーブルメントへの理解はまだ十分に広がっていないのが現状ですからね。でも、これからの営業改革には欠かせないアプローチだと私は考えています。」

「そうなんですよね。特に当社は従来の営業スタイルが根強くて、なかなか変革が進まないんです。藤島さんにはぜひ、セールスイネーブルメントの本質についてお話しいただきたいです。」

「かしこまりました。では、セールスイネーブルメントとは一体何なのか、なぜ今注目を集めているのか。そこからお話ししたいと思います。」

藤島はペンを取り、ホワイトボードに向かった。鈴木部長は真剣な眼差しでそれを見つめる。 営業の在り方を根本から変える。そんな大きな挑戦が、今まさに始まろうとしていた。

◾️セールスイネーブルメントという言葉の本質

セールスイネーブルメントを一言で表現すると、「セールス力の向上」を指します。しかし、これだけでは抽象的すぎて実務的な意味をなしません。セールスイネーブルメントという概念の本質を理解するためには、この言葉が生まれた背景を知る必要があります。

◾️歴史的背景から理解する

米国では、セールスイネーブルメントが提唱される以前から、営業の研修サービスなどは存在していました。例えば、SPIN営業のようなノウハウは90年代に生まれましたが、その際はセールスイネーブルメントという用語は存在しませんでした。

セールスイネーブルメントが米国で発信され始めたのは2010年代のことです。きっかけは、2000年代にSalesforceのSFAを中心にクラウドツールが市場に普及し、営業活動をデジタルデータで分析できるようになってきたことにあります。SFAの登場により、営業の受注率や商談のフェーズ移行率、リードタイムなどを計測できるようになりました。そして2010年代、アナリストたちを中心にセールスイネーブルメントという概念が提唱されるようになったのです。

◾️テクノロジーと不可分な関係

セールスイネーブルメントの登場は、セールステクノロジーの普及と密接に関係しています。SFAなどのセールステックが広く使われるようになって初めて、それらのツールを前提とした営業力強化のノウハウ、つまりセールスイネーブルメントが生まれました。営業データを元に、合理的かつ体系的な営業活動の改善を行う。これが、セールスイネーブルメントの本質なのです。

単純な営業研修とは異なり、セールスイネーブルメントはあくまでもSFAなどのツールで得られるデータを活用し、そのデータを改善するためのアクションを起こすことに主眼が置かれています。データを見て問題を発見し、改善のための行動を取る。そうすることで営業の数値が上がり、その改善のプロセスが組織的に型化されていく。セールスイネーブルメントとは、こうしたデータに基づく継続的な営業改善活動を指すのです。

◾️SFAの位置づけとその先へ

SFAは営業現場への浸透率が特に高いツールであるため、SFAをベースとしたノウハウが、現在のセールスイネーブルメントの主流を占めています。とは言え、SFAはあくまでもセールステックの一種に過ぎません。SFAありきのセールスイネーブルメントがすべてだと考えるのは、少し視野が狭いと言えるでしょう。

確かに現時点では、日本で広まりつつあるセールスイネーブルメントの中心は、SFAを軸としたアプローチが多数派です。しかし今後は、SFA以外の様々なセールステクノロジーを活用したセールスイネーブルメントの手法が次々と登場してくることが予想されます。

米国ではすでに、Gongのような商談分析ツールやHighspotのようなセールスコンテンツ管理ツール、ZoomInfoのようなインテントデータツールなど、多種多様なセールステックが存在しています。ツールによって扱うデータの種類は異なりますし、改善のためのPDCAサイクルの回し方も変わってきます。複数のツールを組み合わせて活用するケースも増えており、米国企業の中には数十近くものSaaS製品を導入している例もあるそうです。

セールスイネーブルメントの推進者は、SFAの運用はもちろん、その他の主要なセールステックについても理解を深め、自社の営業組織のデジタル化とデータ活用に取り組んでいく必要があるでしょう。

◾️本章のまとめ

セールスイネーブルメントとは、セールステクノロジーを活用した、組織的な営業力強化の取り組みです。単なる営業研修やツールの導入ではなく、データに基づく継続的な改善サイクルを確立することで、持続的な営業力の向上を目指します。

SFAは現在のセールスイネーブルメントの中心的なツールですが、それ以外にも様々なセールステックが登場しており、今後はそれらを活用した多様なアプローチが生まれてくることが予想されます。セールスイネーブルメントの本質を理解し、自社に適した手法を選択していくことが、これからの営業組織には求められているのです。

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