【納得】セールスフォースの営業マンが顧客から選ばれる理由。

  • 公開日:2023年6月30日(金)

 

 

SaaS業界に関わる方が皆さん読んでいらっしゃる「THE MODEL」という本がありますが、
「THE MODEL」で解説されているセールススタイルは、
まさにSalesforce社の営業スタイルの要素が色濃く反映されています。

今回は「Salesforceがどのように営業を立ち上げてきたのか」にフォーカスした内容や、そこから学べるノウハウを解説します。

「Salesforceの営業立ち上げ」には、伝説的人物がいた!

Salesforceの営業立ち上げにおいては非常に影響力が高い人物がいます。

Salesforce創業者のマーク・ベニオフさんはもちろんですが、
実は知っておかないといけないのは「デビット・ルドニツキーさん」という人物なのです。

彼は、マーク・ベニオフさんが何としてでも採用したかった初めての営業幹部であり、ヘッドハンディングにより採用されました。

ルドニツキーさんは、もともと「Netscape(ネットスケープ)社」というシリコンバレーでも超有名な会社の営業立ち上げをされていました。
ベニオフさんは何としてでも彼を採用したいと言って、
既に別の人に営業幹部のオファーを出していたにもかかわらず、ルドニツキーさんにオファーを出したと言います。

Salesforceは1999年に設立されていますが、
ルドニツキーさんがSalesforce最初の営業責任者として採用されたのが2002年のことでした。

ルドニツキーさんはSalesforce在籍中に「Salesforceの営業11のルール」を作っています。
これが今や海外では「ルドニツキー プレイブック(Playbook)」と呼ばれており、
ビジネスインサイダーというメディアでは1記事あたり大体100万PVぐらい閲覧されている、まさに「超バズっている」コンテンツです。

ただ、日本ではほとんど名が知られておらず、絶対見た方が良いでしょう。

openpage代表・藤島もNoteで「ルドニツキーPlaybook」の内容を解説していますので、併せてご覧ください。
Salesforceの営業ノウハウの秘訣「ルドニツキーPlaybook」を共有(シェア)しよう

「THE MODEL」の原点もルドニツキーさんにあり!?

「THE MODEL」の原点は、基本的に全てこのルドニツキーさんが作ったと言われています。
まさに彼は「THE MODEL」の生みの親です。

ルドニツキーさんが取り組んだこととして、
例えばいきなり営業電話をすることを「コールドコール」と言いますが、
ルドニツキーさんがSalesforceでのコールドコールを一切、やめてしまったそうです。

彼曰く「電話するのであれば、その人の人間関係や興味といった情報を調べて、それに合わせて電話・営業をしろ」とのこと。
つまりこれは、今でいう「インサイドセールス」の原点と言えるでしょう。

このように、SalesforceのSDR/BDRが作られたのはルドニツキーさんの指示からなのです。
ルドニツキーさんが「コールドコールをやめろ」と言わなければ、
今のようなインサイドセールスという職種はなかったかもしれませんので、その意味では非常に重要な方ですね。

ルドニツキーさんはSalesforceの「文化」にも影響を与えている!

さらにSalesforceでは自社内で営業のノウハウを蓄積しています。
いわゆる「ベストプラクティス」と呼ばれるような、提案で使った営業ドキュメントを熱心に共有する文化がありますが、こうした文化を作ったのもルドニツキーさんだと言われています。

ルドニツキーさんはすでにSalesforceを退職されていますが、
彼は仕組みだけではなく「文化」にまで非常に影響を及ぼしているのです。

また、彼は営業をするときに営業をプロセスごとに分け、
それぞれのプロセスでチームで営業しろ、そしてそれぞれに投資しろ、という話をしました。

これはまさに「THE MODEL」の中の「分業」に関するお話です。
このように、日本では知られていませんが、ルドニツキーさんはSaaSやセールスに関わる会社のベースとなるようなコンセプト・アイデアをも作ったのがルドニツキーさんです。

カスタマーサクセスにとってもルドニツキーさんは重要人物!

ルドニツキーさんは、我々カスタマーサクセスの発信をする者にとっても重要な方です。
なぜなら「カスタマーサクセスの原型」にもルドニツキーさんが関わっているからです。

ルドニツキーさんはSalesforceの営業組織に対して、
「営業提案を初回で大きく膨らませすぎるな」
「最初は小さくてもいいから、早めにクロージングしろ」と指示したのです。

つまり、「早めにクロージングし、契約を続けていく中で更に契約を拡大していけば良い」とアドバイスしていたのですが、
これが実はSalesforceのカスタマーサクセスの原型になっています。

このやり方を進めるために、ルドニツキーさんは顧客データを把握し、
営業マンが契約後の課題解決のための提案もできるように育成を進めたそうです。

ルドニツキーさんは、お客様がサクセスしたかどうかを数値や成果を用いて言語化しながら、営業とカスタマーサクセスとでいかに連携して対応していくか、ということを説いたのです。

先述の通り、ルドニツキーさんはSalesforceにおいて大手企業(エンタープライズ)向けセールスを加速させるために入社されましたが、
彼を採用した張本人であるSalesforce創業者のマーク・ベニオフさんも
「自社が”大きい会社”かのように振舞うことで、会社としてレベルが上がるような取引を実現できる」と言っていました。

Salesforceの日本の子会社であるセールスフォースジャパンはもちろん、これらの影響を受けていて、例えば写真を撮る時に大手企業っぽい振る舞いをすることがあります。
Salesforceはもともとアロハシャツで電話営業するような文化だったようですが、
「顧客の前ではやめろ、スーツを着ろ、大手企業のように振る舞え」と指示したのもルドニツキーさんだったようです。

このように、今日のSalesforceの営業文化のほとんどが「ルドニツキーさんの営業の考え方」に基づいており、知らず知らずの間に受け継がれているのです。
ルドニツキーさんがいなかったら、Salesforceの営業スタイルもまた違ったものになっていたかもしれません。

Salesforceの営業の方々にルドニツキーさんを知っているか聞いても、大体の方は知りません。
そもそも彼はもう退職されていますし、彼が入社された2002年は今から20年以上も前の話です。
セールスフォースジャパンの方が知らないのは無理もありません。

しかしながら、彼が退職されてもなお、
Salesforceの営業文化や営業のやり方にルドニツキーさんの考えが染み込んでいる点が非常に興味深いなと思います。

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