2024年の営業戦略トレンドは「AI、セールスイネーブルメント、DSR(デジタルセールスルーム)」(営業企画、営業部長向け)

  • 公開日:2023年9月14日(木)

openpage代表取締役の藤島です。私はITmediaの「新時代のセールスの教科書」に連載しているのですが、書き溜めていた情報の中で公開していないものがあり、今回は2023年以降の営業戦略のトレンドという記事を公開します。

主に営業活動におけるAIやセールスイネーブルメント、デジタルセールスルームのような最新潮流を話題にしています。

AIの膨らむトレンドには期待値を調整し、過度な宣伝をするセールステック製品には気をつける

AIは営業活動においても期待されているトレンドの一つです。ただ、私自身は国内で最も有名なAIレコメンドのベンダーの1社で働いていたことがあるのですが、実際のAIによる自動パーソナライズはAmazonのようなレベルのビッグデータ保有企業しか機能しておらず、ほとんどの実態はルールベースレコメンド(人的に設定したルールによる推奨)で運用がされていました。

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おそらく、営業活動におけるAIも、実体としてはルールベースでの活用にしばらくはなるでしょう。AIで期待されているのは、リードの優先度付け、見込み売上の予測、顧客向けメッセージのパーソナライゼーションなどの分野です。パフォーマンスが高い企業の運用の実際としては、リードの優先度付けはではなくルールで、見込み売上予測はAIではなくExcelの関数で、顧客向けメッセージのパーソナライズはスコアか手動で行なっています。

そのため、この実態を知ってか知らずか、過度にAIを推すセールステックの製品は、実際の運用(カスタマーサクセス)を軽視していると思われますので、少し信用が出来ません。
AIは目的ではなく手段です。AIを入れたいからツールを導入する、のではなく、「営業業務のXXに課題があり、人でやるよりもAIでやることがパフォーマンスが出ると運用を試してもはっきり分かったので導入する」という目的ありきで考えなければ、AIの話はどれも無駄になります。

ChatGPTの前に「Google日本語入力」を入れるべき

また、AIといってもいろいろな種類があり、いま流行りとなっているChatGPTは文章加工に優れ、メール文の自動作成などテキスト加工を得意としています。
しかし、実は文書作成においては、ChatGPTよりももっと早く入れるべきツールがあり、それは「Google日本語入力」です。

Google日本語入力はGoogleより無料でダウンロードでき、AIが搭載された先端的な文字入力変換のソフトウェアです。
少ない文字数で次に打つであろう文字が変換案として出るので、資料やメールの作成パフォーマンスが上がります。Google日本語入力を標準利用にしてから、ChatGPTでさらに文章加工に取り組むという手順がおすすめです。

現在、MicrosoftがChatGPTに出資しており、ワードやパワーポイントといったドキュメントソリューションにChatGPTの組み込みを模索しています。そのうち、Windowsの文字入力機能に標準実装され、当たり前にAIを使っている未来もあり得るでしょう。

このブームに乗る形で様々な会社がChatGPTの機能開発をしています。米国のセールステック製品のoutreachはSFAと商談の情報からメールのスケジューリングと送付内容をAIで自動化するような機能を作成しました。
しかし、気をつけなければならないのは、これらのChatGPTを活用したAI機能は、冒頭で説明した通り実際のパフォーマンスの観点では高くなく、まだまだ本格運用されている企業は少数です。まずは身近な文字入力、文字変換くらいからAIを導入していくことが現実的でしょう。

営業職のエンゲージメントを高めるセールスイネーブルメント

AIで話題が持ちきりですが、世界的に問題になっているのは、実は営業職のエンゲージメント低下問題です。
リモートワークによりチームの可視性が落ちており、営業部門の士気が落ちている企業が増えているのです。

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そこで、従来から話題に出ていた、セールスイネーブルメントが強化傾向になっています。セールスイネーブルメントは、トップパフォーマーの分析と、知識とプロセスの言語化、コーチング計画を揃えていきながら、新人のランプタイム(戦力になるまでの期間)を早め、営業チーム全体の業績を上げる施策です。

営業会議はいわゆる「詰め会議」になりやすいのですが、ネガティブな風土でモチベーションを下げないよう、士気を高めるための会議設計や評価制度を意識する会社が増え始めています。

ボトムアップのセールスアドバイザリーコンシルと、営業企画スタッフによる言語化

米国でよく言われているのが、Sales Advisory Councilと呼ばれる、セールス内の情報共有ミーティングの重要性です。これはマネージャー主導で指導をするMTGではなく、営業のメンバー同士で、営業活動における顧客や販売方法の示唆の情報共有をすることに主眼が置かれています。

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この会でボトムアップで営業のノウハウ情報の言語化を行ったのち、日本で言うところの営業企画部門が営業のプロセスや知識を体系的に言語化し、実際の営業活動で再現性を持って実施できるようにするわけです。また営業企画スタッフによって言語化された情報をデジタル化し、顧客にデリバリーするのがDSR(デジタルセールスルーム)です。

 DSR(デジタルセールスルーム)で営業がコンサルタントに進化する

DSR(デジタルセールスルーム)の解説の前に背景情報をお伝えします。これはITmediaの「新時代のセールスの教科書」の記事にも載せる予定なのですが、顧客の購買担当者がミレニアル世代化(現在で言うところの20代〜30代中盤が顧客の購入担当者に)に伴い、デジタルチャネルを好む顧客が増えています。

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営業と直接接点を持って購買したい顧客は、若い世代になるほど減少傾向であり、デジタルコンテンツの提供を織り交ぜながら営業をする、人とデジタルのハイブリッドスタイルに営業職の仕事は変わっていくと予想されます。

DSR(デジタルセールスルーム)は、営業担当者が顧客向けの提案サイトを作成し、営業のデジタルコンテンツを提供することで、顧客の購買を支援するツールです。

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従来の営業は、資料読み上げによる一方的なプレゼンテーションが中心でした。DSR(デジタルセールスルーム)では、顧客のヒアリングを行い、顧客の課題や戦略に合わせた形でデジタル提案することで、アドバイザーやコンサルタントのような法人営業が可能になります。
また、このDSR(デジタルセールスルーム)の設計を、セールスイネーブルメントの一環で企画スタッフが行うという企業が増えています。

弊社openpageにおいても、ツールベンダーとして大手商社・大手通信・大手製造業の各種営業部門のDSR(デジタルセールスルーム)導入支援を自社製品で行なっているのですが、主には営業の企画や戦略スタッフが、現場の営業力強化の観点で、言語化された営業ノウハウをDSR(デジタルセールスルーム)に注入しています。

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DSR(デジタルセールスルーム)では営業活動におけるヒアリング内容や、製品提案、営業商談のタスクや、顧客へのフォローアップなどをテンプレートでプリセットすることが出来ます。
セールスイネーブルメントのアウトプット先としてDSR(デジタルセールスルーム)を組み合わせることで、営業活動の戦略的なスケールと提案力アップが実現できます。

営業のデジタル投資ならopenpageにご相談ください

openpageはDSR(デジタルセールスルーム)のツールベンダーであり、営業力の強化、セールスイネーブルメントの実現、受注率向上などの効果を提供します。
法人営業部門のデジタル投資をするうえでのパートナーとして大手企業様からもご相談を頂いております。詳しくはホームページよりお問い合わせください。

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