営業効率化のためには、適切なツールの活用が欠かせません。その中でも特に重要なのが、SFA(Sales Force Automation)です。SFAは営業活動におけるデータベースのようなもので、取引先や顧客担当者、受注案件、営業担当、製品などのデータを一元管理できます。そして、そのデータを活用してレポートやダッシュボードを作成し、営業組織の現状を細かく把握することができるのです。
SFAの歴史は古く、1990年代にはオンプレミスのシーベルなどがありました。その後、1999年にSalesforceがクラウド型のSFAをローンチし、現在のSFAの土台が築かれました。SFAは営業におけるデータベース管理だけでなく、そのデータを活用した営業戦略の立案やアクションにつなげるためのツールへと進化を遂げてきたのです。今や、営業のデジタル化には欠かせないツールとなっています。
SFAが求められる背景
営業活動を完全に勘に頼っていては、状況が把握できなくなってしまいます。営業担当者は毎月数十社、年間では数百社もの商談を行うことがあります。たとえ営業担当が1人だとしても、全案件の詳細を常に覚えているのは困難です。それが数十人、数百人規模の営業組織になると、商談数は数千から数万にも及びます。どこでどのような商談や取引が行われているのか、カオスな状態になってしまうのです。
そこで必要になるのがSFAです。SFAの営業データベースにデータを蓄積し、レポートやダッシュボードで現状を把握することが求められるようになりました。営業活動の「見える化」なくして、営業の効率化は実現できないのです。
SFAの効果とメリット
SFAを導入することで、まずはシンプルに状況が整理されます。ただし、SFAにデータを溜めているだけでは、特に効果やメリットは得られません。溜まったデータからレポートで可視化して状況を理解し、現状の良し悪しを分析する必要があります。そこから取るべき営業アクションを考え、実際にそのアクションを進めていくことが重要なのです。
しかし、これは実は難易度の高いことです。多くの営業組織で、SFA運用に挫折しているのが実情です。そのため最近では、営業アクション側をしっかりと管理するツールとしてDSR(デジタルセールスルーム)を導入する企業も増えてきました。 DSRは営業の提案内容や顧客に求めるネクストアクションなどを管理するツールで、営業担当の提案アクションの多くをマネジメントできます。SFAとDSRを組み合わせることで、より効果的な営業活動が可能になるのです。
openpageは、こうした営業のデジタル化を支援するDSR(デジタルセールスルーム)のベンダーとして注目を集めています。使いやすさと高い機能性で、多くの企業に選ばれているのです。SFAとDSRの効果的な組み合わせにより、営業組織のさらなる効率化と売上拡大を支援しています。
SFAの導入ステップ・手順
SFAの導入は、まずSFAを導入して、取引先情報や営業担当者情報を入力するところから始まります。そして、SFAを効果的に運用していくためには、案件のフェーズ管理をするのがベストプラクティスだといわれています。
例えばSalesforceでは、以下のようなフェーズ管理が推奨されています。
- 商談の見極め
- 課題の特定
- メリットの訴求
- 意思決定者の巻き込み
- リスクの排除
- 契約合意
- 事務処理
- 受注成約完了
営業組織でこのフェーズを意識して、自社の案件がどのフェーズなのかを共有し合います。各フェーズはどういう状況なのかを定義して、共通認識を持って案件状況を整理するのです。そして、営業担当ごとにフェーズの進捗がどうなっているのか、重要な案件の進捗はどれだけ進んでいるのかなどを分析し、営業に次のアクションをフィードバックする仕組みを作ることが肝要です。
SFA活用のポイント
SFA活用のポイントは、このフェーズ管理と、前に進めるための営業アクションのマネジメントにあります。単にSFAでデータを入力してレポートを眺めているだけでは、効果は出ません。また、案件が滞留していたり進捗が悪かったりするのをただ指摘するだけでも、営業担当はどうアクションを取ればよいのかわからず、SFA運用が回っていないのと変わりません。
重要なのは、現状を把握した後に、どのようなアクションを取るべきかを分析して、具体的な営業の動き方を指示することです。 そして実際に期待通りの営業アクションが取れて、効果が出ている状態に持っていく。そこまでいかないとSFA運用に意味はないのです。
ただし、営業アクションの指示はSFAだけでは管理しきれず、どうしても我流になりがちです。そこでDSR(デジタルセールスルーム)を組み合わせることをおすすめします。DSRでは商談の進め方、各商談で何をヒアリングするのか、どのようにテストクロージングをするのか、ROIや事例をどう紹介するのか、スケジュールやタスクをどう切るのかなど、顧客とのコミュニケーションを管理できます。 SFAで状況判断し、DSRで具体的なアクションを管理する。これにより、効率的な営業管理が機能するようになるのです。
SFAの主要ツール
SFAの代表的なツールといえば、Salesforceでしょう。SaaSという言葉の生みの親でもあり、最もシェアが高いSFAベンダーです。ただし、SalesforceはSFAというよりは巨大なプラットフォームといった様相を呈しています。単に営業状況を管理するだけでなく、他のツールのデータを組み合わせたり、プラグインで新しい機能を追加したり、Salesforce用のアプリケーションを独自に開発したりと、柔軟性に富んでいます。その分、シンプルな製品ではなくなっており、中小企業よりは大手企業のカスタマイズを意識した導入に適しているといえるでしょう。
一方、中小企業で最近よく利用されているのがHubspotです。HubspotはもともとBtoBのマーケティングに特化したツールでしたが、サイト構築やメール配信の機能を追加した延長線上で、リードとして登録された案件管理のニーズに応えるためにSFA機能が追加されました。後発だけあってUIはわかりやすいのですが、Salesforceに比べるとカスタマイズ性では劣ります。
SFA導入に取り組むべき企業
SFA導入に取り組むべき企業としては、まず営業情報の多さゆえの混沌とした状況に対応する必要がある企業が挙げられます。つまり、製品数、拠点、営業人数などが多い大手企業ほど、SFAのニーズは高いといえるでしょう。
また、SFAは営業売上を上げるためのツールです。SFA導入によって営業のストレッチ幅が大きくなりそうな会社ほど、SFA導入の効果が期待できます。例えば、営業組織に型がない若手ばかりの組織や、熟練者ばかりで目線がバラバラな組織などです。
openpageのSFA活用事例
openpage自身はDSR(デジタルセールスルーム)のベンダーですが、SFAとDSRを組み合わせて活用しています。SFAは案件のフェーズ管理と、日々の営業のアクション管理(todo管理)に使っています。営業担当には、毎日業務が終わるまでに案件のフェーズを更新し、その案件に対するアクションを一言入れてもらっています。フェーズをマウスで動かすだけ、アクションを一言入れるだけというシンプルな運用にすることで、営業現場の負担にならないよう工夫しているのです。また、金額はフェーズが後半になったときに必須入力にすることで、売上金額の見通しも立てやすくなります。
ただし具体的な提案内容まではSFAでは管理しきれないので、DSRで管理しています。DSRには毎回の商談の議事録、提案、ネクストアクション、資料がすべて格納されています。細かくマネジメントしたいときは、1件1件の案件の具体的な内容を見ながら、お客様とどうコミュニケーションを取るべきかを指示します。マクロな営業管理をSFAで行い、ミクロな営業管理をDSRで行う、といったイメージです。
DSRで営業アクションを管理すると、飛躍的に営業アクションの品質が上がっていきます。まだDSRを知らない方も多いかと思いますが、ぜひopenpageの資料をダウンロードして、DSRについて理解を深めてみてください。SFAとDSRの効果的な組み合わせにより、営業組織はさらなる効率化と売上拡大を実現できるはずです。
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