openpageはソリューション営業支援のプロフェッショナルとして、これまで数多くの企業の営業改革に携わってきました。 そこで得た知見を基に、ソリューション営業の在り方について解説していきます。
ソリューション営業の定義
ソリューション営業とは、単に製品の機能や特徴を説明するのではなく、顧客の抱える課題を深く理解し、その解決策としての製品やサービスを提案するセールススタイルのことを指します。 それは、顧客の視点に立ち、コンサルティング的なアプローチで価値提供を行うことを意味します。
ソリューション営業の対義語となるのが、プロダクト営業です。 プロダクト営業が「この製品を買ってください」と機能を説明するのに対し、ソリューション営業は「この製品はこんな課題解決の価値を提供できるので買ってください」と訴求します。 しかし、単にメリットを並べ立てるだけではありません。 課題解決というのは、顧客ごとに固有のものだからです。
製品資料に並ぶ「こんなことありませんか?」はあくまでサンプルで、実際の課題は顧客の数だけ存在します。 例えば、ある顧客は在庫管理の非効率さに悩み、別の顧客は販売チャネルの拡大に頭を抱えているかもしれません。 そのため、ソリューション営業では多様な課題感を押さえ、それぞれに合わせた価値提案をしていくことが求められるのです。 つまり、顧客の状況に応じてカスタマイズされた提案が必要となります。
ソリューション営業が求められる理由
なぜソリューション営業が必要とされるのでしょうか。 それは、顧客が社内で製品導入を説明する際、単に「この製品が欲しい」では伝わりにくいからです。
企業には様々な目標や業務上の悩みがあり、それらを解決してくれる取り組みを常に求めています。 予算が限られる中、投資対効果を考えねばならない経営層にとって、漠然とした製品の要望では判断が難しいでしょう。
そんな中、課題をまったく押さえずに製品を勧められても、上司は判断しかねるでしょう。 「なぜその製品が必要なのか」「どんな課題解決に役立つのか」という点が明確でなければ、承認を得るのは容易ではありません。 顧客が社内で説明するには、自社の課題と、その解決策としての製品の価値、そしてベンダーの強みや事例など、論点を押さえた説明が必要なのです。 つまり、ソリューション営業の視点と手法が欠かせません。
ソリューション営業のメリット
ソリューション営業は、顧客の社内説明をショートカットできるメリットがあります。 営業が課題、取り組み、製品活用、ステップ、ROIなどをディスカッションして押さえ、提案してくれれば、それを社内説明に活用できるからです。
提案内容をまとめる手間が省け、説得力のある内容を上司に示せるようになります。 これにより商談リードタイムが短縮され、早期の受注が可能になります。 受注までの時間が短いほど、次の案件に取り組める時間が増えるため、営業の回転率が上がります。 仮に30%早く受注できれば、それだけ多くの案件を同じ期間でこなせるようになり、売上の増加につながるでしょう。
効率的な営業活動は、営業側にも顧客側にもメリットがあるのです。 営業は売上目標を達成しやすくなり、顧客は課題解決までの時間を短縮できます。 双方にとってWin-Winな関係を築けるわけです。
加えて、課題解決のプロセスを営業と顧客が一緒に考えて進めていくのは、面白い体験ともなります。 プロダクト営業が一方的な製品説明なのに対し、ソリューション営業は顧客との共同作業。 互いの知見を出し合いながら最適解を模索していく過程は、ビジネスパーソンとして成長する機会にもなるでしょう。
エキサイティングなプロセスを経て案件が決まれば、営業と顧客の信頼関係はより強固なものとなります。 次なる課題が生じた際にも、真っ先に相談してもらえる存在になれるはずです。 長期的な視点で見れば、ソリューション営業は一時的な売上よりも大きな価値をもたらすと言えるでしょう。
ソリューション営業のやり方
それでは、ソリューション営業を実践するにはどうすればよいのでしょうか。 まず取り組むべきは、製品資料やカタログだけで説明する営業スタイルを改めることです。
もちろん、製品の特徴や機能を伝えることは重要です。 しかし、資料の使用は会話の3割程度に抑えるのが良いでしょう。 残りの時間は、顧客の課題をヒアリングしたり、深掘りする質問をしたりすることに充てます。
「御社ではどのような課題を抱えていますか?」 「その課題によってどんな影響が出ていますか?」 「課題解決のために、どのような取り組みをお考えですか?」 ―― こうした問いかけを通じて、顧客の状況を具体的に把握していくのです。
製品の提案も、資料を読み上げるだけでなく、顧客の課題に即した内容にカスタマイズします。 「御社の在庫管理の課題を考えると、このような使い方が効果的です」 「前回お話しいただいた販路拡大には、この機能が役立つはずです」 など、顧客の文脈に沿った情報提供が求められます。
加えて、資料には書かれていない、顧客だからこそ関心を持つ情報も盛り込みましょう。 類似業種の成功事例、想定されるROI、導入ステップなど、顧客視点で価値ある内容を提示することが重要です。
ソリューション営業は、顧客との対話を重ねながら、二人三脚で課題解決策を練り上げていく協働作業です。 「こういう進め方なら効果が出るのではないでしょうか」 「想定している効果について、こんな論点はいかがでしょう」 ―― 営業の提案に対して、顧客の意見を引き出すことを心掛けましょう。
双方向のコミュニケーションを重ね、顧客に最適なソリューションを共に作り上げていく。 それこそが、ソリューション営業の真髄なのです。
ソリューション営業に求められるスキルとマインド
ここまで見てきたように、ソリューション営業には高度なスキルが求められます。
何よりも重要なのが、顧客との対話力です。 傾聴の姿勢を持ち、話の本質を捉える力。 開かれた質問で課題を掘り下げる力。 顧客の立場に立って提案を組み立てる力。 そうしたコミュニケーション能力が不可欠となります。
加えて、ビジネスの仕組みを理解し、課題解決の処方箋を示せる力も必要です。 業界知識やマーケティングの知見、経営学やMBAで学ぶフレームワークなども、提案力を高めるために役立つでしょう。
さらに、得た情報を基に論理的に思考する力、それを言葉で的確に伝える力も欠かせません。 顧客の話をメモし、整理し、ストーリー立てて提案を組み立てる。 顧客も納得する提案内容を作成し、わかりやすく説明する。 こうした言語化のプロセスにも、スキルが問われるのです。
スキルと同じくらい大切なのが、マインドセットです。 顧客の課題解決に貢献したい、というサーバントの心。 提案の精度を高めるため努力を惜しまない向上心。 失敗を恐れず挑戦し続ける行動力。 謙虚に学び続ける姿勢。
営業という仕事の本質は、人と人との関係づくりにあります。 利他の心を持ち、相手への敬意を忘れず、本気で向き合い続ける。 信頼される人間であろうと努め続ける。 これこそが、ソリューション営業に携わるセールスパーソンに求められる資質と言えるでしょう。
ソリューション営業を支援するツールの活用
顧客の課題から最適解を導き出すソリューション営業は、高度な知的作業です。 その実践を支援するツールの活用も欠かせません。 中でもおすすめしたいのが、openpageが提供するデジタルセールスルーム(DSR)の活用です。
openpageのDSRでは、顧客ごとにカスタマイズした提案内容を作成し、Web上の専用スペースで共有できます。 いつでも顧客が見れるデジタル提案機能が備わってとり、営業と顧客の対話を深めるのに最適なのです。
また、提案内容の閲覧状況や顧客の反応も可視化できるため、提案の改善にも役立ちます。 こうしたデータドリブンなアプローチにより、ソリューション営業の精度を高めることができるでしょう。
実際、openpageのDSRは、IT、広告、人材、コンサルティング、BPOなど、様々な業界の企業に導入されています。 ソリューション営業のノウハウが凝縮されたプラットフォームとして、多くの営業担当者に活用されているのです。
openpageでは、ソリューション営業の実践に役立つ知見をまとめた資料も提供しています。 DSRの活用方法はもちろん、ソリューション営業のプロセス設計、スキル向上のための研修など、営業改革に取り組む際のヒントが満載です。
ソリューション営業の推進にご興味をお持ちの方は、ぜひopenpageの資料をご覧ください。 データに基づく提案の進め方、顧客との対話の深め方など、実践的なノウハウのヒントになるはずです。
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ソリューション営業の実践を通じた成長
顧客起点で価値提供を行うソリューション営業は、これからの時代に求められる営業スタイルです。 製品訴求だけでは限界のある現代において、課題解決に向けて顧客と共に歩む姿勢は、ビジネスの在り方そのものを変えていくはずです。
ソリューション営業の実践は、営業担当者自身の成長にもつながります。 顧客との真剣な対話を通じて、ビジネス感覚を養い、人間力を高めていけるからです。
皆さんのソリューション営業の実践を、私たちopenpageは全力で支援します。 記事に書ききれないソリューション営業のノウハウを提供することも可能ですので、お気軽にopenpageにお問い合わせください。