カスタマーサクセスにおいて、顧客とのコミュニケーションの方法として「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」の3種類がありますが、
特に「テックタッチ」に取り組んでいる企業は多いです。
しかし、「テックタッチをやめた方が良い」企業やプロダクトのフェーズがあるのです。
今回の記事は「こんな場面ではテックタッチをやめた方が良い」というポイントや、具体的なテックタッチの始め方について解説します。
テックタッチはあくまでも「ハイタッチ・ロータッチで”人”が案内する内容」の代替である
「ハイタッチからロータッチ」が最優先で、足固めをした上でテックタッチに取り掛かりましょう、ということです。
テックタッチはツールなどを使いながら、不特定多数の人に対してご案内していくタイプのカスタマーサクセスです。
ツールは基本的にメールなどに代表される「デジタル」なツールですが
テックタッチは、「人」が案内する内容をデジタルでそのまま伝えられるようにすることです。
そのため、デジタルで案内する以前に、「人が案内する内容」をきちんと整備することが重要です。
そもそも「人」で案内ができなければデジタルツールでの案内もできないため、
先にハイタッチやロータッチで案内すべき内容、コンテンツをしっかり設計することが重要です。
テックタッチを始めるまでに・・・「9万字」がキーワード!
改めてハイタッチとは、基本1対1で案内するコミュニケーションです。
ロータッチは「1:N」で集合研修やセミナーで大勢のお客様に対して案内するコミュニケーションです。
今回一番伝えたいのは「ハイタッチとロータッチの案内時間に着目する」という話です。
そもそも、カスタマーサクセスで、ハイタッチ・ロータッチでお客様にどれくらい総案内時間があるのか。
例えば契約期間が6ヶ月や1年で、「お客様と直接コミュニケーションをしている、あるいはコンテンツをお伝えしている時間」は合計でどのぐらいあるのか。
最低でも3〜4時間くらいは何かしら製品の案内や操作の解説、製品を使ってどうやってうまくいくのかについて案内しているはずです。
これをテックタッチに移行した時に、「ハイタッチやロータッチでかけている時間と同じぐらい、デジタルツールで視聴してもらえるか」という論点が出てきます。
つまり、テックタッチとして3〜4時間かけて訴求できるようなコンテンツ量があるか、という点が非常に重要です。
デジタルコンテンツの中身に着目した時に、
まず1分間で読めるテキスト量は大体「500字」くらい、と言われています。
これを3〜4時間分案内するとなると、合計「9万字」ぐらいの情報量が必要になり、これはビジネス書1冊分ぐらいの量になります。
テックタッチをやろうと思うと、9万字分の情報をお客様に伝えないといけないので、
「本1冊書くくらいの情報量」が必要になりますし、
逆に9万字に見たない情報量だと、テックタッチとして伝えるべき量は不十分でしょう。
テックタッチツールとしてはメールやポップアップのツールなどがありますが、
正直言えばこれだけでは全然足りていません。
ポップアップはせいぜい500字ぐらいのコンテンツしか配信できませんので、9万字、という観点からすると全く足りません。
また中途半端な内容のメールでは「ハイタッチの100分の1」くらいの情報量しか案内できませんので、むしろやめた方がいいケースも多いでしょう。
テックタッチの取り掛かりは「200スライドを作る」ところから!
テックタッチのコンテンツでは9万字とお伝えしましたが、いきなり本1冊分の情報を書くのはなかなかハードルが高いでしょう。
まずはPowerpointなどでコツコツと、お客様に提案するノウハウ資料を作るところから始めてみてはいかがでしょうか。
Powerpointのスライドベースだと、大体1スライドに200字くらいが目安になってきますので、
9万字ですと450〜500スライド分くらい。最低でも400スライドぐらいは必要でしょう。
しかしいきなり400スライド、もなかなか大変ですので、当面の目標としてはまず「200スライド」ぐらいを目安に作ってみてはいかがでしょうか。
より具体的に言えば、1回のセミナーだと大体40〜50スライド分ぐらいのコンテンツになりますので、それを5本分くらい作るイメージです。
ロータッチのWebセミナー研修や入門セミナーを1つずつ作り、
基本的なセミナー2つ、応用セミナーを1つ、と作っていけばあっという間に5つのセミナーが出来上がります。
このようにまず200ページぐらいのスライドが手元にある状態を作ってはじめて「テックタッチに取り組める」という状態が作れるのではないでしょうか。
openpageをご利用されているお客様でも、ここまでのスライドやコンテンツを用意できてる会社さんは少ないと思います。
コンテンツが十分でない場合には、いきなりテックタッチに取り組むのではなく、まずはハイタッチでお客様に提案し、そのための提案資料を作成する。
また、ロータッチ向けの研修資料として200スライドを作る。
そうすればテックタッチの準備としては十分ではないでしょうか。