今回は、NHKで話したカスタマーサクセスについて、さらに深く掘り下げたいと思います。
私、openpage代表の藤島は、NHKの番組「とまどい社会人のビズワード講座」に出演しました。
私もテレビ番組に出演することで出演者の方々やスタッフの方々との会話を通じて学ぶことができた側面もあり、今回は番組出演とカスタマーサクセスとを絡めてお伝えします。
出演者のお二人との裏話 - 関係者がとにかく多い!
藤島は「芸能人とカスタマーサクセス」は非常に相性が良いと考えています。
ファンづくりやお客様を大切にするという姿勢には、大いに学ぶべき点があるからです。
本当はその辺りを番組でうまく引き出したいと思っていましたが、
私のトークがかなり未熟で、全く上手く引き出せませんでした。
裏の控え室でのトークでは良い話ができたのに、それを番組で還元できなかったという反省点があります。
NHKの「とまどい社会人のビズワード講座」という番組のメインパーソナリティーは、
アイドルグループKing&Princeの永瀬廉さんと、
吉本に所属されているお笑い芸人のオズワルドの伊藤俊介さんの2人です。
最初に印象深かったのは、オズワルドの伊藤さんのお話です。
実は、私も芸能人の方々が仕事においてどのような点に気を配っているのか、かなり興味がありました。
カスタマーサクセスも、言わば接客業に当たり、人付き合いの側面があると考えています。
ですから、芸能界の人々がその点をどう考えているのか、ぼんやりとでも聞きたいと思っていました。
撮影が始まる前に少しお話しいただきましたが、
オズワルドの伊藤さんは、人の名前を絶対に覚えるとのことでした。
私のことも「藤島さん」と丁寧に呼んでくださり、意識されていることがわかりました。
テレビに出演してわかったことは、テレビは関係者が非常に多い、ということです。
スタジオ前での挨拶にも10数人くらいの人がいたと記憶しています。
それから番組の中で、シチュエーション演出がありますが、
そちらにも芸能事務所から演技ができる方6~8人くらいを呼んでいて、その方々も加えると20人以上はいたのではないでしょうか。
そうなれば当然、名前は覚えられないものです。
同じ状況が大手企業向けのカスタマーサクセスにも当てはまると思いました。
ミーティングなどでは、「誰が誰だろう」というくらい多くの人がいます。
しかし、そのようにたくさんの人がいる仕事だからこそ、きちんと名前を覚えて呼ぶということが極めて重要だと考えています。
関係者の方が非常に多くて、私自身は本当に覚えられないと思いました。
カスタマーサクセスの文脈では、お客様の名前を覚えることがもちろん大事ですし、
さらに言うと、名前に加えてその人のプロフィールまで覚えられると、
それは相手を尊重しているということなので、とても素敵だろうとも思いました。
実は伊藤さんとKing&Princeの永瀬さん、お二人とも同じようなお話をされていたのです。
ただ、今回は番組内容が少しバラエティ寄りだったため、あまり深く話せる環境ではありませんでした。
カスタマーサクセスと、芸能人×ファンの関係性は似ている
永瀬さんと休憩時間に少しお話をした際、
「カスタマーサクセスはファンとの関係と強く関連している」という話題になりました。
永瀬さんは十数年前の中学生の頃からずっとこの仕事をされているそうです。
デビューした本当に初期の段階では、まだお客様も数えられるくらいの舞台もやっていたそうです。
まだお客さんが少ない初期に来てくださったファンの方々で、
今も来てくれる人が相当数いて、そういった方たちへの尊敬や感謝の気持ちが非常に強く、「名前はわからないが顔は皆さん覚えている」とおっしゃっていました。
「こういうことをすると、この人は喜んでくれたな」ということも覚えているようで、
その人が来る時には感謝の気持ちを持って、意識的にそのような振る舞いをするという話をしてくれました。
藤島はそれを聞いて、単純に「かっこいいな」と思いました。
King&Princeは、今では日本を代表するようなアイドルですが、
そこに至るまでは一朝一夕ではなく、本当に小さな舞台やライブからスタートしたということが、その話から伺えました。
カスタマーサクセスでも最初のお客さんは非常に大事です。
最初はまだ荒削りで製品もサービスもまだ少し磨かれていない時期ですが、
その時期から、「いいよね」と言って、今もずっと続けていただいているお客様は非常に大切なお客様です。
そういった初期顧客をきちんと大事にするというのは、
ファンビジネスだけでなく、会社組織のカスタマーサクセスにおいても非常に重要なことではないでしょうか。
番組作りは台本と出演者に任せる部分、その両方で成り立っている
NHKのスタッフの方々のお話も、できるだけお伝えしたいと思います。
今回「カスタマーサクセス」というテーマで番組を作りましたが、
番組構成を考えるためにおそらく3~4回ミーティングを重ねました。
何度も話し合い、濃厚な構成やシナリオを練ってくださいましたし、
私は話し下手で、それに答えられたかどうかはわかりませんが、カスタマーサクセスに通じるものがあると思いました。
番組の構成自体をしっかりと組み立てることで、「この人にこう話してもらえばうまくいくだろう」というものをある程度考え、
成功のシナリオを非常に精緻に設計していると感じたからです。
一方で出演者の方への信頼、つまり「出演者に任せている部分」もありました。
というのも、テレビ番組で全部台本通りに話しても、結局面白くないからです。
そのため「出演者の方が主で、その人がうまくできるようにということを考えること」はカスタマーサクセスに近いと思います。
カスタマーサクセスもうまくいくための型、
つまり、「こういう時期にこういうことをやって、こういうふうに想定してください」といったものを各社作り込んでいると思います。
とはいえ、結局はそれに沿って動くのはお客様ですので、
お客様がある程度自分のやり方や主導権を持って自由に進めることも大事であると考えます。
芸能界やテレビは、普段あまり関わることがないので遠い世界に見えていましたが、話を聞いてみると、カスタマーサクセスとしても学ぶところが多く、
私自身も非常に学ばせていただきました。貴重な機会をいただき、感謝しています。