【解決】クライアントが忙しくて連絡取りにくい時どうする!?

  • 公開日:2022年10月29日(土)

 

 

クライアントが忙しくて連絡が取りにくい・・・そんなとき、どうする!?
今回も株式会社ユーザベースのカスタマーサクセス大沢さんをお招きして、対談形式でお届けします。
Openpage代表・藤島から、色々な角度で質問をしていきます。
(以下敬称略)

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「忙しいお客様」に製品を利用してもらうためには?

忙しいお客様には「プッシュ型」で届ける

藤島:
今回は、大沢さんに「忙しい相手に対して、どのようにカスタマーサクセスの取り組みをしていくのか?」というテーマでお話を伺います。

大沢さんは、例えば大企業の経営企画部の方やベンチャーキャピタルの方など、多忙な方々に自社の製品を使ってもらうためのカスタマーサクセス活動をされていると思います。

「忙しいお客様」に製品を利用してもらうためには、どのようなことをすればいいのでしょうか?

大沢:
キーワードとして挙げるとすると、「”プッシュ”で届ける」ということだと思います。
SaaS(Software as a Service)のサービスだと、「ログインして使っていただく」必要のあるサービスも多い。
そのため、ある程度お客様の中でも「サービスを利用するために時間を確保しないと」という意識をもたれてしまうと思います。

こちらから「こんなデータの活用方法もありますよ」「こんなデータが入りましたよ、XXさんこんなデータ欲しがってましたよね?」といった提案を、
お客様ごとに個別最適化して、メール・チャットで連絡していく、ということを結構やっています。

藤島:
「お役立ち情報をgiveし続ける」ということですよね。
お客様がその情報を見て「役立つな、使ってみようかな?」と思ってもらうことを狙っているんですよね。

お客様のメールの開封もチェックしてアプローチ

大沢:
そうですね。
今は、メールをお送りした後に「お客様が開封しているかどうか」もわかるんですよね。

そのため、メールを開封されていないお客様にお電話させていただいて、
「先日お送りしたメールなんですけど、XXさんに合うと思って連絡させてもらっていますが・・・ご覧いただけてますか?」といったお話をする。

そうすると「今、見るわ!」と言って見てくれるお客様もいらっしゃいます。
その意味では、電話を取っていただいたときはチャンスですね。

藤島:
メールの開封等も確認しているとのことですが、何かツール等を入れて計測しているのでしょうか。

大沢:
はい、ツールを入れて計測しています。

藤島:
メールを見てくれていないとか、そういったデータを確認・判別しながらお客様にアプローチをするということですね。
ちなみに、電話をした時にお客様から「メールは見てないけど・・・そもそもなぜ電話したてきたの?」と跳ね返された時には、どう対応すべきでしょうか?

大沢:
そういったケースはあまりないですね。
そもそも電話をする前提として、お客様との関係構築も結構大事です。

電話に出ていただいてる時点で、「あ、大沢から電話が来てるな」「ああ大沢か、どうした?」と言ってもらえる関係をちゃんと作っておくことが大事ですね。

忙しいお客様へのアプローチのためには、「お客様1人1人の理解」が重要

藤島:
「お客様の役に立つ情報の準備」として、どのぐらいの時間をかけているのでしょうか。

大沢:
そんなに時間はかけていないです。
ただ、「お客様1人1人の状況をきちんと把握する」ということが大前提です。
これができている前提で、お客様ごとに個別最適化して情報としてお送りする、これが重要です。

そのために、お客様との過去の商談やコミュニケーションの中で、「お客様の興味がどこにあったのか」をきちんと整理して、お客様と話す前に頭の中にある程度インプットしておく。

そうすることで、例えば「XXという機能がリリースされたよ」という情報がユーザベース社内のプロダクトチームやコンテンツチームから出てきたら、
「あ、これはお客様の欲しかったやつだ!」と感知することができるので、情報をお客様に送ってあげる、という形です。

藤島:
ユーザベース様のカスタマーサクセスでは、社内連携も重要ということですね。
新しい機能が出たタイミングや、コンテンツチームがコンテンツを作ったタイミングで、お客様に合わせて、うまくパーソナライズしていっていることがわかりました。

カスタマーサクセスとしてお客様に提供する情報をインプットするためには?

そもそも、INITIAL事業を利用されているお客様とは?

藤島:
社内での「部門間連携」はうまくいっているのでしょうか。

大沢:
私が関わっているINITIAL事業は全体で40〜50めいぐらいの組織体なんですけども、
これぐらいの人数感なので、結構意思疎通・コミュニケーションしやすい感じですね。

藤島:
INITIALチームの皆さんは仲が良く、一致団結してるイメージがありますね。
そもそもINITIALというサービスはどのような方が使っているのでしょうか。

大沢:
顧客属性としては3つあります。

1つ目は「投資をされる方」が多いですね。
ベンチャーキャピタリストや事業会社のCVC(Corporate Venture Capital)で多く使っていただいています。

2つ目の属性は「事業会社の中で事業開発されている方」ですね。
これは投資に限らず「スタートアップとアライアンスを組みに行きたい、一緒に何か新しいことをしてみたい」というニーズがあれば、我々の情報が役に立ったりします。

3つ目は「リサーチャーや研究者」の方ですね。
我々が保有しているデータ量は「国内最大級」なので、「INITIAL上のデータを分析すればインサイトが生まれるだろう」と捉えていただいて、僕らのデータを使って分析していただいています。

藤島:
ベンチャーキャピタリストさんや事業会社の投資担当・アライアンス担当の方って、すごく忙しいイメージがありますが、コミュニケーションを取られてみてどうでしょうか。
個人的には、「連絡してもなかなか連絡がつかない」というイメージがあります。

大沢:
みなさん「意思決定が早い」ですね。業界慣習もあるかもしれません。
メールを細かくチェックされたりとか、電話した時にパッと出てくれたりとか、そういうのも多いです。

藤島:
確かにベンチャーキャピタリストの方でも、メールやチャット等を活用されながらコミュニケーションのフットワークが軽い方は沢山いらっしゃいますもんね。

「最新情報」はお客様とディスカッションしながら知識を蓄える

藤島:
今、ベンチャーキャピタル業界ではWeb3やメタバースといったキーワードで情報や興味を持たれているという話もあると思いますが、大沢さんもそういった情報を提供されているのでしょうか?

大沢:
「僕も一緒に勉強中」という感じです。
新しい領域は、どうしても全体が見えづらいので、「国内のデータ」だけ集めてもまず間違えると思います。

そのため、英語で書かれた記事も見ながら、
むしろベンチャーキャピタリストの皆さんに「XXという新しい領域について、僕としては”こういう理解”なんですけど、合ってますか?」と確認しに行ったり。
ディスカッションしながら、自分の知識を蓄えるということを意識してます。

藤島:
ユーザベース様は社内でも膨大な経済情報をお持ちだと思うので、お客様に提案できる幅がとても広そうですよね。

大沢:
そうですね。僕は「INITIAL」というプロダクトを担当していますが、隣には「SPEEDA」事業があって、その横には「NewsPicks」事業があって。
これら各プロダクトのデータを組み合わせて何か新しいものを作れないかな、とか、
部署ごとに在籍しているリサーチャーや記者の方にヒアリングしたりとか。

こういったアクションはまさに日常茶飯事ですね。

INITIALで行っている「スタートアップの情報収集」方法とは!?

藤島:
今回のテーマと話が少しずれちゃうかもしれないのですが、
INITIALだと「スタートアップの情報」が沢山入ってくると思います。
普段からスタートアップに関して、どのように情報収集をしているのでしょうか。

大沢:
「印象的なディール」があった時には特に社内で会話することも多いですね、「資金調達の仕方が面白いよね」みたいな。
ただ、「単に大きな金額を調達した」という話じゃなくて、「色々な金融商品の組み合わせで資金調達できたんだね」みたいなケースは、勝手にテンション上がりますね。

藤島:
INITIALだったら、スタートアップ各社の過去の投資履歴とかもわかるから面白そうですね。
カスタマーサクセスって関わるプロダクトによって専門性が全然変わってくるので、
INITIALだとやはり「ベンチャー投資」や「スタートアップ」に詳しくなっていくという理解で良いでしょうか。

大沢:
そうですね。あと、もう少し広めに捉えると「トレンド」ですかね。
さっき藤島さんがおっしゃっていただいた「Web3」「メタバース」という世界って、
僕らがわからなければ、他の人もわからないのです。
僕らが最先端情報を握っているので、僕らが一番前に立たなければいけない。

藤島:
「SaaSだけどメディア」みたいな側面がユーザベース様は強いですよね。
社内で「新しいものが出てきたぞ」というときに、勉強会をすることはありますか?

大沢:
勉強会はしてます。
例えば最近のテーマで言うと「クライメートテック(Climate tech)ですね。
※クライメートテック:
世界的な気候変動の問題を解決するため、CO2排出量の削減や地球温暖化への影響への対策を講じる革新的なテクノロジーのこと。

クライメートテックは、まだ国内でもあまり理解されていない。
日本ではまだまだこれから、という感じですが、アメリカではすでにすごく盛り上がってる領域になり始めている。
なのでキャッチアップしていこう、という感じですね。

トレンドのキャッチアップ方法とは?

藤島:
どのようにトレンドのキャッチアップをしているのでしょうか。

大沢:
基本的にはお客様とのディスカッションの中で聞かれることも多いですね。
「INITIALさんご存知だったら・・・」という入りから、「クライメートテックって聞いたことがある?」みたいな。

知らないときは「知らない」とお伝えしますが、
「知らない」とお伝えした上で、「ちょっと僕らの方でも調べてみます」という話をする。
その上で、持ち帰って勉強会をすることもありますし、勉強会の中でお渡しできそうなものができれば、お客様に情報としてお渡ししたり。
僕ら自身も、勉強して成長していますね。

藤島:
カスタマーサクセスに携わると、関わる製品の「周辺領域」についてものすごい詳しくなるんですよね。

私も前職がビズリーチという採用のプロダクトでしたが、
最初は採用の「さ」の字も知らない状態で入ったのに、数年後にはめちゃくちゃ採用に詳しくなりました。

だから、INITIALだとそれが「スタートアップ」や「ベンチャー投資」といった領域になっていくので、非常に面白いキャリアだと思いますし、
こういった領域に詳しいカスタマーサクセスは珍しい立ち位置だと思います。

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