ジーニーが買収したデジタルセールスルームとは?
ジーニーが買収したデジタルセールスルーム「Arch by HiCustomer」は、カスタマーサクセスベンダーHiCustomerが開発した第二のプロダクト。当初はカスタマーサクセス用のツールでしたが、のちにデジタルセールスルーム(DSR)へと進化しました。
ジーニーはM&A戦略でArchを買収し、今後は「ジーニーDSR」としてリブランディングされると予想されます。SFAとデジタルセールスルームの連携にも注目が集まっています。
デジタルセールスルーム(DSR)の先駆者であるopenpageは、国内でいち早くDSRのサービスを展開し、多くの企業の営業デジタル化を支援してきました。ここではopenpageの豊富な導入事例とノウハウを踏まえつつ、ジーニーによるデジタルセールスルームの買収について詳しく解説します。
ジーニー×デジタルセールスルーム解説①HiCustomerの第二のプロダクト「Arch」
ジーニーが買収したデジタルセールスルームの「Arch」は、カスタマーサクセスベンダーであるベンチャー企業HiCustomerが展開する第二段目のプロダクトです。HiCustomerは日本で早くからカスタマーサクセスのプロダクトを展開し、ヘルススコアと呼ばれる企業との取引関係の健康状態を予測するツールを提供してきました。
Archは当初、IT企業向けのカスタマーサクセスやセールスにおけるタスク管理や案内をするためのプロダクトとしてローンチされました。メディアにも取り上げられ、一部のSaaS企業がテスト導入を行っていました。HiCustomerは、カスタマーサクセスの分野で培ったノウハウを活かし、より営業活動に特化したツールの開発を目指したのです。
ジーニー×デジタルセールスルーム解説②カスタマーサクセスツールからデジタルセールスルームへの進化
HiCustomerのArchに先行して、openpageが「デジタルセールスルーム(DSR)」として自社のツールを展開していました。それを追う形でArchもデジタルセールスルーム(DSR)へと進化し、カスタマーサクセス用のツールからデジタルセールス用のツールへと機能を拡張しました。
デジタルセールスルームとは、顧客提案における専用のページを作成できるシステムです。主に法人顧客と相対する営業や運用の担当者が利用します。提案内容や契約書、プレゼンテーション資料などを一元管理でき、顧客とのコミュニケーションをスムーズに行えるのが特長です。
【デジタルセールスルームDSRの解説はこちら】
デジタルセールスルーム(DSR)とは?顧客起点の営業を実現するDSRの機能と事例、活用方法や最新トレンドのまとめ
米国ではデジタルセールスルーム(DSR)が新興のセールステックとして普及しており、日本でも市場から高い期待が寄せられていました。営業のデジタル化が進む中、従来の対面型の営業だけでなく、オンラインでの営業活動を支援するツールへのニーズが高まっていたのです。
ジーニー×デジタルセールスルーム解説③SFAベンダー・ジーニーによるM&A
ジーニーはデジタルマーケティングに強いベンダーとして知られ、M&A戦略で新興企業のツールを買収し事業を拡大してきました。2018年には中小企業向けのSFAベンダー「ちきゅう」を買収し、「ジーニーSFA」としてリブランディング。Salesforceをベンチマークとした開発投資により事業を拡大しました。
デジタルセールスルーム(DSR)はSFA利用企業とも相性がよく、ジーニーはHiCustomerのArchに目をつけて買収に至りました。SFAとDSRを組み合わせることで、営業活動の効率化とデジタル化をより一層推進できると判断したのでしょう。今後はちきゅうと同様、「ジーニーDSR」としてリブランディングされると予想されます。
ジーニー×デジタルセールスルーム解説④M&Aと新規事業の強化
ジーニーはすでにSFAやMAなど複数のセールス・マーケティングツールを展開しており、今後もM&Aにより事業領域を拡大させる戦略です。生成AIへの投資も行っており、代表自身が技術者でビッグデータの技術に強い会社だと知られています。
ジーニーDSRは、ジーニーSFAとのセット販売が予想されます。競合であるマツリカもデジタルセールスルーム「DealPods」を新規事業として展開しており、SFAベンダー各社のDSR領域への参入が加速しそうです。
一方、openpageはSalesforce出身者の志村氏やサンブリッジ出身の壷内氏を経営陣・株主に迎え、Salesforceとの積極的な提携を進めています。Salesforce導入企業でもあるキヤノンマーケティングジャパンとも資本提携を結び、SFAとDSRを組み合わせた運用ノウハウを蓄積しています。
ジーニー×デジタルセールスルーム解説⑤ジーニーSFAとの連携
ジーニーSFAとジーニーDSR、マツリカセールス(SFA)とDealPods、Salesforce(SFA)とopenpage(DSR)というように、SFAベンダー同士の市場開発が今後活発化するでしょう。営業のデジタル化を推進する上で、SFAとDSRの連携は欠かせません。
ジーニーは対Salesforceで開発投資を進めており、ジーニーDSRもセットで販売すると思われます。顧客データをSFAで管理しつつ、DSRで顧客とのコミュニケーションを円滑に行うことで、営業活動全体の最適化を目指せるでしょう。
openpageはSalesforceとの連携を強化しつつ、Salesforce導入企業でのDSR活用を啓蒙していく方針です。DSRの導入により営業の生産性が上がった事例などを紹介し、SFAユーザーのDSR活用を促していくと予想されます。
まとめ
デジタルセールスルーム(DSR)は、営業のデジタル化を推進する上で欠かせないツールとして、今後さらに注目度が高まるでしょう。ジーニーによるArchの買収は、DSR市場の拡大を象徴する出来事と言えます。
SFAベンダー各社のDSR領域への参入が進む中、ツール間の連携や、営業プロセス全体の最適化がますます重要になってきます。営業のデジタル化に悩む企業は、SFAとDSRを適切に組み合わせ、自社の営業スタイルに合わせて活用していくことが求められます。
openpageは、DSR導入の豊富な事例とノウハウを持つベンダーとして、企業の営業デジタル化を支援していきます。デジタル営業に関心をお持ちの方は、ぜひ資料をダウンロードいただき、openpageの活用方法をご検討ください。新時代の営業スタイルを、ともに作っていきましょう。
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