【断言】SFAだけ使っても営業成績は上がりません!

  • 公開日:2023年8月20日(日)

 

 

「入力だけ」では全く意味なし!営業力強化の真髄を教えます!
今回も、株式会社セールスのタクミ、代表の佐藤匠さんにお越しいただき、
SFAやCRM活用のポイントについて、openpage代表・藤島との対談形式でお届けします。(以下、敬称略)

■佐藤匠さんとのこれまでの対談記事
【効果実証済み】プロが教える展示会の必勝法!
インサイドセールスをただのテレアポにするな!
・【営業必須ツール】導入すれば売上が加速するSFAとは?

SFAを入れただけで満足するな!「羅針盤」として活用すべし

藤島:
前回の記事で匠さんには、SFAを導入する意味ですとか、
どういうふうに導入すればいいのかっていうのをお聞かせいただいたと思うんですが、より深掘りしてお伺いできればと思います。

「SFAを導入するだけでは意味がない」ということですが、
SFAを入れることで、具体的にどのようなデータが見れるようになるのか、改めて教えてもらえますでしょうか。

佐藤:
はい。SFAに入力する項目としては担当者情報と、それに紐づく商談日、受注日、担当者・決裁担当者などです。
それらを分析できるんですけども、ただ平均のリードタイムや受注率、アポ率・転換率などが大まかな指標としては見えてきます。

それによって来月に粗利を積める可能性があるのか、どのぐらい推移してるかの全体指標を見ることができます。

藤島:
SFAだと、分析をするときに「営業担当者別」や「リードソース別」などのフィルタリングをかけることもできますよね。
その上で、アポイントから商談に繋がったか、商談繋がってから受注に繋がったか等の転換率と、転換する上でのリードタイムが見えるようになりますよね。

それらのデータを見える化させ、上げていく必要がありますが、「どのように上げていくか」によって初めて価値が出ると思っています。
転換率等の指標をいかに上げるか、のノウハウも教えてください。

佐藤:
まず、SFA入れただけでは営業成績は上がりません。
むしろ負債になり現場の営業パフォーマンスが下がることもあります。

僕自身も大企業でSFAを導入しましたけども、なかなか使いこなせていませんでした。
むしろ入力する作業がハードルになってしまっていたのです。

藤島:
「入力業務」自体は「営業していない」状態ですもんね。
ただ単に、ずっと社内で事務作業の時間が増えているだけですもんね。

佐藤:
そうですね。
SFAのポジショニングとして、いわゆる「羅針盤」として使っていただくのが一番良いと思っています。

具体的には、「そもそも全体の方針がうまくいっているのか」「どのぐらい転換しているか」「営業マンに差分がないか」を全体の指標として見る際の目安として使うイメージです。

見て分析した上で「こういう傾向がある」とわかる。
それをどう改善やアクションに落としていくかは、現場と話し合いながらやっていくしかない。
その意味で、SFAは羅針盤的な役割を担ってくれていると思っています。

リードソースごとに改善点を洗い出すポイントは「市場の平均との比較」

藤島:
その羅針盤を見て、どのようになれば「営業力が強化された」と言えるのでしょうか。

佐藤:
まず全体の転換率をリードソースごとに見る、あるいは担当者ごとに見る、というのが一般的でしょう。

藤島:
リードソースごと、というのはチャネルごと、あるいはマーケティング施策ごとに見る、ということだと思っていますが、その点における改善点はどんなことでしょうか。

佐藤:
例えば、インサイドセールスの中でハウスリストへのアタックやアウトバウンドの施策をする時に、これらの施策の転換率はだいたい平均値が決まっています。
アウトバウンドではアポ率が3%程度、そこからの受注率は10%程度です。
一方ハウスリストであれば、アポ率が15〜20%で受注率が30%といった具合です。

市場的な平均はほぼブレませんので、これら市場の平均と自社の平均にどれだけの乖離があるかをまず見るべきです。

担当者ごとに改善点を洗い出すためには、「個々人のパフォーマンスの違い」に着目

藤島;
アポ率が低かったらアポ率を高めるための活動を、チャネルごとにやっていく、と理解しました。
担当者別だとどんなイメージでしょうか。

佐藤:
まず、トップパフォーマーとローパフォーマーのパフォーマンスの乖離を見ます。
この乖離が平準化されればされるほど組織としてはよりよくなるわけです。

もっと細かく見ると、担当者ごとのやりとりの回数(顧客への電話・メール等)やリードタイム(前に連絡してから次の連絡までどのぐらいの感覚が空いているか)、
場合によってはやりとりの内容まで見るケースもあります。

各担当者ごとの差分を一人一人の粒度で見ていくことによって、どんな部分に乖離があるのかを分析し、あとは改善していくのみです。

数字を定量化できる部分は一番再現性が効きやすいため、
「回数」や「頻度」は一番増やしやすく、テコ入れしやすいです。

内容に関しては、「個人のコミュニケーション特性」や「案内方法」によって乖離が生まれる部分なので一番最後に手を入れることになります。

藤島:
弊社もSFAとしてHubspotを入れていますが、Hubspotであれば顧客ごとのメール回数とか電話回数なども定量化できます。

それらの数字を見ながら、ハイパフォーマーはどれくらいの頻度で連絡を取っているのか可視化し、
ハイパフォーマーの数字から乖離してる人に関しては「こういう風に改善していこうか」と型化していくということはわかりやすいですね。

内容になると、定性要素が入ってくると思いますが、いかがでしょうか。

佐藤:
内容については、地道な施策にはなると思いますが、一緒に商談同行させるといったことが有効なのではと思います。
トップ営業の方と同席をさせ、同席した方に対して必ず質問をさせる。
その後細かく質問のフィードバックをしてあげる等の地道な施策になると思います。

この点については「飛び道具」が本当になくて、人間のコミュニケーションなので、
1個1個のポイントをアドバイスをしていく、という地道な積み上げが重要です。

藤島:
Salesforce社のお話を聞いていると、数字を見たときに改善するための定性的なノウハウが圧倒的に揃っています。
「アポ率をこういうふうに変えたい」という時にどんな架電をすべきか。

架電のスクリプトの話の進め方1つをとっても、「第1段落ではこういう話を」「第2段落ではこういう話を」等、全部細かくノウハウ化されています。
やはり数字で取れるところは数字で追うしかないと思いますが、定性の部分は、定性的なノウハウをちゃんと学んで実行するということを地道に泥臭くやるしかないんだなと思いました。

結論、「営業力を伸ばす」ということは、
定量的なところで言えば、連絡のリードタイムとかそういうところをちゃんと組織的に平均して、
ハイパフォーマーがやってるような状態っていうところを維持しつつ、
定性的なところっていうのは割と地道に泥臭く、マネジメントの仕組みでフィードバックするか、セールスイネーブルメント的にナレッジを揃えていく、といったところが重要だなと思いました。

佐藤:
冒頭申し上げた返り、市場との乖離が大きいパターンも結構ある部分は営業だけではアプローチが難しいため、マーケティングチームと一緒にやっていく必要があります。

HubspotなどのSFAを活用して、全社での転換率などの数値を見ていくのが良いでしょうし、マーケティングから営業までの全部のリードの管理をCRMで行っていただけると良いかと思います。

藤島:
たしかに、マーケットの状況や市況にもよりますよね。
マーケットが右肩上がりなのかどうか、プロダクトが強いのか、単価が高いのか、等。

そういう話になったときは営業部門だけでどうするか、ではなく、全社的にどうビジネスディベロップメントをすべきかが重要ですね。

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